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座・twitter連歌 (下書)

twitterで興行中の連歌(@zrenga)記録用

   

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百韻『復興の』の巻

第九百韻 『復興の』の巻
2011.05.01~05.28

1 発句 復興のそら泳ぎゆけ鯉のぼり    夏  ね子
2 脇    疎林にわか葉のもどる山里   夏  私
3 第三 廃屋の方に薪割る音のして        不夜
4     煮炊きをすれば生きた心地に      草栞
5   順繰りと臓腑に染みる燗の酒     冬  夢
6     年用意にはぬかりなきなり    冬  私
7   越せぬ瀬を越して安堵の息ひとつ      不夜
8     夜逃げの友が呉れし絵手紙       ね子
初ウ
9   もとの身のまゝに過ごせし我の居て     郎女
10    むかへの夫にきつく釘刺す       私 夫(つま)
11  欠け落ちたジグソーピース見つけ出し    栞
12    太宰治を繙く夜に           夢 繙く(ひもとく)
13  春風にとゞめ難きは恋ごゝろ     春恋 私
14    ふらこゝ揺すり誰を奪はむ    春恋 不夜
15  そのかみの朧月夜が胸焦がす    春月恋 ね子
16    熊座に宿る淡き星影          栞
17  偉丈夫に添ふ花嫁の麗しく      雑花 私
17  触れないで我が花言葉は復讐よ    雑花 夢
18    たおやかさほど怖いもの無し      夢 両句に
19  午睡覚め県居の大人独りごつ     夏  不夜 県居の大人(あがたいのうし)
20    大江戸線に置き去りの傘        ね子
20    紙魚の痕にも意味あらぬかと   夏  郎女
20    風鈴売りの初声を聞き      夏  夢
21  まどろめば膝より落つる文庫本       郎女 三句に
21  ハネ怖しお洒落もしたし絽の着物   夏  夢 三句に
22    せめてセレブに近場クルーズ      私 両句に
二オ
23  別荘を徘徊しては品定め          栞
24    ジャーナリストの性は禿鷹       不夜
25  英国の新婚夫婦を憂ひをり         ね子
26    八月尽に大輪の薔薇       秋  夢(+栞)
27  秋暑し“亜熱帯化”に真実味     秋  私
28    蜻蛉を知らぬままに育ちて    秋  ね子 蜻蛉(とんぼ)
29  屋上に玉兎を愛づる都市暮らし    秋月 不夜
30    機械仕掛けのホームシアター      夢
31  印籠が出ると悪党平伏し          私
32    不幸で終はる大団円なし        私
33  闌を待たずして散る壬生の花     春花 夢
34    春闘といふ年中行事       春  ね子
35  つい朝寝髪気にしつつ論を張る    春  不夜
36    夫婦喧嘩も三日目になり     恋  ね子
二ウ
37  遺されたルージュ愛しく後追ひて   恋  栞
38    罠としりつゝ嵌まる駆け引き      私
39  木偶となる快楽もありて傀儡師       夢 快楽(けらく)傀儡師(かいらいし)
40    失脚懲りずに狙ふ政権         私
41  風評も七十五日で治めたし         ね子
42    旅路の果てに山梔子香る     夏  夢
43  擦り切れたサドルの革に汗の染み   夏  不夜
44    ブレーキつよく握る坂道        郎女
45  やまぎはゝ釣瓶落して照り残る    秋  私
46    棚田の縁に曼珠沙華咲き     秋  栞
47  前掛の地蔵の胸に赤い羽根      秋  ね子
47  面影や袖の涙に宿る月        秋月 夢
48    年経る布の色あはれなる        不夜 両句に
49  漂泊の詩人の影を追慕して         私
49  乳を絶つ愛しき痛みよみがえり       夢
50    なほ脛齧るわが子気遣ふ        私 両句に
50    殻破らんとする鳥見つめ        栞 両句に
三オ
51  凩に道行く人は襟立てて       冬  ね子 両句に
52    あたかも心隠す如くに         不夜
53  如何に舞はむ瀕死の白鳥人の身で      夢
53  指先でノの字を書いて微笑せり       郎女
54    魔法の呪文あれば重宝         不夜 両句に
55  エクスペリアームス大佐覚悟せよ      栞
56    外堀埋めて男を落とし      恋  夢
57  横恋慕他人のものはよく見える    恋  私
58    監獄ロック愛欲の果て      恋  栞
59  各部屋に同じかたちの同じ空        郎女
60    合わせ鏡に∞の私           夢 ∞(むげん)
61  1と2で世を支配するコンピューター    ね子
62    あやなくさめるはるのよのゆめ  春  私
63  引き潮の沖に出てゆく花筏      春花 不夜
64    涅槃の西風ふと止みて凪     春  夢
三ウ
65  胸はだけライダースーツ舌打ちす      不夜
66    発車ブザーの響く改札         夢
67  みなし児の名を呼ぶ声もかき消され     栞
68    初夏のプリンス・エドワード島  夏  ね子
69  青芝のうねりて赤き屋根の家     夏  不夜
70    まだ宵ながら月涼しげに     夏月 栞
71  夕化粧白きうなじのにほひ立ち    秋恋 夢
72    けふは秋刀魚とばれる愛の巣   秋恋 私
73  刈田づらその一隅にミニ戸建て    秋  私
74    虫の音深く夜を護れり      秋  ね子
75  サイレンに和すは無駄吠えとは言へず    私
76    鼻にもかけぬ捜査能力         栞
77  香水で“異文化交流”感づかれ       私
78    シルクロードを西へひた行く      ね子
名オ
79  強東風に今日もひねもす黄砂舞ふ   春  私 強東風(つよごち)
80    麗らかな海待ち遠しくて     春  栞
81  名にし負ふGENPATSU近く馬酔木咲く  春  ね子
82    花はつぼみと下見報告      春花 私
83  温暖化実は真つ赤なうそらしい       私
84    ネットサーチで俄かべんきやう     私
85  初恋の歴女と語り明かさうと     恋  ね子
86    かのひと追つて旅のやど替へ   恋  私
87  余らせた青春切符握りしめ         栞
88    日焼けの肩が思ひ出となる    夏  ね子
89  尾根道をなきつつ過る杜鵑      夏  私
90    通ひなれたる若狭人待ち        栞
91  雲間からやうやう出でて後の月    秋月 ね子
92    庭の白茅にやどる老蝶      秋  私 白茅(ちがや) 老蝶(おいちょう)
名ウ
93  つゆのみといへどおぼえずながらへて 秋  私
94    あらたに見ゆる秋のゆふぐれ   秋  栞
95  かしましき娘三人嫁がせて         ね子
96    わたし好みに亭主改造         私
97  初めてのパスポート取り服選び       ね子
98    胸も高鳴る登竜門へ          栞
99  祈りにも似たる今年の桜咲き     春  ね子
100   経読鳥のこゑも清やけく     春  私
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百韻 『垂乳根の』の巻

第八百韻 『垂乳根の』の巻
                   2011.04.01~04.18

1 発句 垂乳根の母ふと寂し弥生尽     春  夢
2 脇    はらはら肩にかゝる花びら   春花 私
3 第三 洋上の東風異国より来たるらむ   春  ね子
4      小瓶に詰めた手紙拾ひて       草栞
5    モチベーション溢れるままに曲作り    リュウ
6      気づけば空のいろ移りけむ      郎女
7    黙つても気詰まりしない旧き友      私
8      汝が名忘るる我を許せよ       不夜
初ウ
9    秋彼岸一輪早き契草        秋  夢
10     蟷螂なればいつそ食はれん   秋恋 ね子 蟷螂(たうろう)
11   共寝して月を見上ぐる怠け者   秋月恋 ふない
12     若き牡鹿の声懐かしき     秋恋 夢
13   立ち寄ったマンガ喫茶はレトロ風     リュウ
14     一反もめん暖簾にいかが       栞
15   もの売りの吐く息白き勝手口    冬  不夜
16     討ち入りの日は遂に決せり   冬  私
17   ネクタイを結んでほどきまた結ぶ     ふない
18     迷路のごとき地下駐車場       ね子
19   買ひだめは駄目と知りつゝ弥次郎兵衛   私
20     両手に何を持ちて帰らむ       郎女
21   倒産の倉庫整理の明易し      夏  不夜
22     酒酔星は泪色して       夏  リュウ
二オ
23   短冊に夢書きし子も嫁ぎ行き       夢
24     猫と煮干を分け合うてゐる      ね子
25   幸せは己が心で決めるもの        私
26     レモンかじりし君の目が言ふ  秋  夢
27   密やかな仕掛けのごとく稲つるび  秋  栞
28     花野に落ちる鉄塔の影     秋  ふない
29   有明にシベリア鉄道驀進す     秋月 リュウ
30     寡黙な客の髪は砂色         不夜
31   吉原の遊びが過ぎて縁切られ       ね子
31   同じ席いつものあれを注文す       郎女
32     忘れられぬは馴染みのにほひ     郎女 両句に
33   一押しのパン屋にはかに店仕舞      私
34     霙の濡らす貼り紙の文字    冬  不夜
35   束の間に聖樹映せるマッチの火   冬  栞
35   かたしきの袖の時雨も氷つき    冬恋 夢
36     覚めぬ夢こそ永久に見まほし  恋  夢 両句に
二ウ
37   ときめきの薄れるころにつぎの恋  恋  私
38     自転車操業せねば回らず       栞
39   母の日は母を休ませ母代はり    夏  ね子
40     白玉茹でる大鍋の湯気     夏  ふない
41   「トルコ風呂」淫らと言われ丸くなり   夢
42     絵は省略とデフォルマシオン     私
43   爆発の後もじわじわ熱帯びて       栞
44     空と海とのまぐはひの刻       リュウ
45   明星が口に飛び込み大悟する       私
45   見つけたよ、何を?ってほら永遠を    夢
46     理解者なくば天才ならず       不夜 両句に
47   むだ口を叩き喫茶の夜は更けぬ      ふない
48     入学式を終えて一息      春  郎女
49   花見する人を横目の忙しさ     春花 不夜
50     芋は煮えれど棒鱈煮えず    春  夢
三オ
51   レシピには載せぬ秘伝のありぬべし    私
52     微妙な違ひたれも解らず       栞
53   八百長の噂に力士押し切られ       ね子
54     切り返せずに首捻りつつ       私
55   仮免許にて舵をとる無鉄砲        不夜
56     由良のと渡るお七じゅうろく     夢
57   愛しさの増せば苦もます狂ほしさ  恋  私
58     文も寄越さぬ君のつれなさ   恋  郎女
59   巻き湯葉に結び針魚の春の椀    春  夢 針魚(さより)
60     ちらちら雛をみてはおすまし  春  私
61   篝火のただ煌めきて朧月      春月 夢
62     橋のたもとに狂女舞ふゆめ      ね子
63   語り聞く遠き昔の人柱          不夜
64     伝へる術も今はブログに       栞 術(すべ)
三ウ
65   あへてする告白炎上期してをり      私
66     時に汚名も売名となる        私
67   上げ下げはムードで変はるマスメディア  私
67   ロックスタードラッグの沼玻璃の蓮 夏  夢
68     うつけ者こそ覇王の乱世       夢 両句に
69   創造に必要なのは非常識         私
70     グラスの底に顔よあれかし      不夜
71   二丁目に河岸を変へたか人相見      ね子
72     おねえ口調は処世術なり       私
73   ACのリフレインには愛想尽き      栞
74     カフェdeブレイク気分さはやか 秋 私
75   はじかみの鮮烈にして秋の鯖    秋  夢
76     柿の一葉を添える去来忌    秋  栞
77   風そばふ嵯峨のまほらの花紅葉   秋花 私
77   面影や仕舞ひも出来ぬ花灯籠    秋花 夢
78     消せぬ炎のいと浅ましき    恋  夢 炎(ほむら) 両句に
名オ
79   我が魂を結び留めむ君いづこ    恋  ね子
80     祈れば来たるものならなくに     郎女
81   みちのくのしのぶるたみにさちよあれ   私
82     ラピスラズリの夕闇の下       栞
83   工房に絵の具をつくる音しきり      不夜
84     身を粉に砕く様のうつくし      私
85   香味触フリーズドライで進化して     夢 香味触(こうみそく)
86     軽さの価値を思ひ知る山       私
87   朝寒に師僧笑って震へをり     秋  ふない
88     敗荷といふ美学もありて    秋  ね子 敗荷(やれはす)
89   名月の酒に飛び出すアート論    秋月 私
89   夜も更けて猪口に映るは後の月   秋月 栞
90     飲み干したればしばし去れ友     不夜 両句に
91   ひもとけば古今の知己のそこにあり    夢
92     頁のノドに紙魚が隠れる    夏  ふない
名ウ
93   暑がりにあはせ設定する温度    夏  私
94     ウルトラマンも弱る節電       栞
95   ヒーローになるもなれぬも時の運     郎女
96     ただひたすらに追ひかける夢     不夜
97   帰郷する球児の頬に花の風     春花 夢
98     斑雪は吉と出でし山肌     春  私 斑雪(はだれ)
99   げんげ田に農作業車を走らせて   春  ふない
100    春祭り待つ友ら楽しも     春  ね子

百韻 『椿市の』の巻

第七百韻 『椿市の』の巻
                   2011.03.02~2011.03.21

1 発句 椿市の乙女の名さへ忘れけり    春  草栞
2 脇    かすむ思ひ出たどり大和路   春  私
3 第三 亀の鳴く聲に呼ばるる心地して   春  郎女
4      雨戸開ければ静かなる庭       不夜
5    羽目板の狭間に細き日の光        ふない
6      硯の蓋に埃積もれる         栞
7    まどろめば月影うごく文机     秋月 不夜
8      利き酒セットでかほど酔ふとは 秋  私
初ウ
9    新蕎麦を振る舞はんとて二人連れ  秋  ふない
10     美術の秋もにはか蘊蓄     秋  私
11   絵心のあれば惹かれる恋心     恋  栞
12     思ひつめては見えぬ現実    恋  不夜
13   君がため幾度ハイウェイ走りしか  恋  郎女
14     都市間バスの集ふ駅前        ふない
15   錦なき身では故郷に帰れない       私
16     無駄な意地だとひとは言ふけど    私
17   禁煙と称して電子タバコ吸ふ       不夜
18     啓蟄なればそつと這ひ出し   春  栞
19   おにぎりを貰ひ早立ち遍路宿    春  私
19   校舎裏ひとり始業の鐘朧      春  夢
20     花の香りの消え切らぬうち   春花 ふない 両句に
21   清らかにほゝゑむナースに幸ぞあれ    私
22     ノルマ厭はず身を尽くすとや     栞
二オ
23   シベリアの日々をおもへば易きこと    郎女
24     家の中でもダウン着てゐる   冬  私
25   見てはだめ私が機を織るところ      夢
26     銀河を渡るその日来るまで   秋  不夜
27   いく度の荒波越えて望くだり    秋月 栞
28     欠けたる碗で里芋を食ふ    秋  ふない
29   すれ違ふ虫の垂れ衣艶かし     恋  夢
30     手加減せずに腹つねる妻    恋  私
31   阿も吽も知り尽くしたる間柄    恋  不夜
32     相棒あつての事件解決        栞
33   納涼舟粋でいなせな江戸の宵    夏  夢 納涼舟(すずみぶね)
34     音なく花火の上がる遠ち方   夏花 私 遠ち方(をちかた)
35   つれづれに刺し子をしつゝ見やる窓    郎女
36     うつれる顔に母のおもかげ      私
二ウ
37   ハネムーン葉書一枚寄越しけり      ふない
38     嫦娥つれなく弓も届かず   秋恋月 夢
39   晩稲刈る野良の娘に惚れ直し    秋恋 栞
40     色草の身の遊女儚し      秋恋 夢
41   こころまでは売らぬ矜持を保ち生き    私
42     古老に似たりサーカスの象      ふない
43   万物の長と言ふこそ驕りなれ       私
44     流転の末に忍び寄る危機       栞
45   悠然とけふも乞食山頭火         不夜 乞食(こつじき)
46     旧街道の辻を横切る         ふない
47   囀りの影羽ばたきて春障子     春  夢
48     吾児が仕切りの雛のまゝごと  春  私 吾児(あこ)
49   降り積もるブルーシートの桜蕊   春  不夜
50     水泡の筏消えつ結びつ        夢 水泡(みなわ)
三オ
51   瀬を早み岩によどめる恋の川    恋  私
52     また逢ふ日まで契り守りて   恋  栞
53   遠ざかるバスの後席夏帽子     夏  不夜
54     二重の虹のトンネルに入る   夏  郎女
55   開演のブザー響きて宝塚         夢
56     トーン下がれどやまぬざわめき    私
57   こつこつと襖仕切を指で打つ    冬  ふない
58     時間稼ぎに生姜湯を出し    冬  栞
59   図書館で日暮らす主に電話して      私
60     実家へ帰る旨を告げたり       不夜
60     あはれ知る身のかなかなの声  秋  夢
61   延べ段に小花こぼるゝ萩の寺    秋  私 両句に
62     さやけき月の宿と為さんや   秋月 郎女
63   茸籠は逝きし嫗の形見にて     秋  栞
64     軍手を嵌めて山に踏み込む      ふない
三ウ
65   末黒野の春の息吹を信じつつ    春  夢
66     東風吹く中を犬と遊ばむ    春  不夜
67   宴飽きてくゞる小袖の花の幕    春花 私
68     ふと我にのみつき纏ふ虻    春  私
69   もそつとで痒い所に手の届き       栞
70     金が梯子の吉原天守         夢
71   猪牙舟にけふも其角の姿あり       不夜 猪牙舟(ちょきぶね)
72     ふる傷痛しあすは雨かも       私
73   病室で父方の祖父笑ひけり        ふない
74     家業を継ぐと方便のうそ       私
75   無心には殺し文句を用意して       私
76     顔を洗つて出直す覚悟        栞
77   ふつか酔ひ頭かゝえる昼寝覚め   夏  郎女
78     糸瓜の花の上に飛行機     夏  ふない
名オ
79   陽炎の線路遥かに無人駅      春  夢 陽炎(かぎろひ)
80     はや春月の出づる山の端    春月 不夜
81   掌にすれば福来たるらし落し角   春  栞
82     玉藻妲己も我が虜にて     恋  夢
83   ラブゲーム本気にさせてそつと逃げ 恋  私
84     得がたいものは永遠のときめき    私
85   印象の光に溶ける海と舟         夢
86     題名のない曲の愉しみ        栞
87  人生は変転やまぬストーリー        私
88    終の棲家は雪積む里か      冬  不夜
89  楼台の灯り眺めつ寒施行       冬  栞
90    ふと花の香の溢つ暗闇に     春花 夢
91  こころあてに待てば夢見の春の夜半  春恋 私
92    お伊勢参りの草紙ひもとく    春  ふない
名ウ
93  リフレッシュ休暇もらへど素寒貧      私
94    煩悩だけは無尽蔵なり         栞
95  我が住むは資源少なき秋津島        不夜
96    見飽きつることなき富士の山      郎女
97  折々の襲の色目麗しく           夢
98    温度分布に一喜一憂          栞
99  多様なるひとの違ひを受け入れむ      私
100   幸くとばかりともに唄ひて       郎女 幸く(さきく)

百韻 『鴛鴦や』の巻

第六百韻 『鴛鴦や』の巻
                   2011.01.21~2011.02.18

1 発句 鴛鴦や川面を撫でる明けの色    冬  郎女
2 脇    陽あたり側に笑まふ早梅    冬  私
3 第三 とり出だす句帳はいまだ白紙にて     不夜
4      ポットで淹れる煎茶一服       草栞
5    あれこれとまんじゅう試食ほぼ手ぶら   私
6      ケチケチ・ツアーはせこさ慣らしむ  私
7    検索の労を厭はず月の宿      秋月 不夜
8      柞紅葉にかかる湯けむり    秋  私 柞紅葉(ははそもみぢ)
初ウ
9    ボジョレーを楽しみにして風呂上がり 秋 郎女
10     髪かきあげる君はセクシー   恋  私
11   天才の描く女神に一目惚れ     恋  栞
12     こころ浮わつく彼に肘鉄    恋  郎女
13   大南風走り出したら止まらない   夏  不夜 大南風(おおみなみ)
14     グランドに水を撒く一年坊   夏  ふない
15   信ずべしおのが無限の可能性       私
16     賞受けたるは通過点にて       栞
17   あへぎつつペダルを漕いで峠越え     私
18     雪消しずくに喉をうるほす   春  不夜
19   月の出もいつとは知れず花朧   春花月 栞
20     きーこきーことふらここが鳴る 春  私
21   メーデーの行列すぎて人まばら   春  不夜
22     独身寮に届く絵手紙         郎女
二オ
23   ざらざらと洗ふた箸の乾く頃       ふない
24     そば屋の夕の仕込み始まる      私
24     エコの参加はリサイクルから     私
25   天ぷらの揚げ油にもこだわりを      郎女 両句に
26     手抜きをしないプロとアマの差    私
27   入念にからだほぐしていざ本番      不夜
28     寒声高く洩れ聴こえたる    冬  栞
29   マフラーを忘れて戻る細き路地   冬  ふない
30     作家志望の彼は太宰似     恋  私
31   女生徒の淡き想ひに気がつかぬ   恋  郎女
32     実習期間済めば去る人     恋  不夜
33   ”農業の体験”実は嫁募集        私
34     休耕田で吠える柴犬         ふない
35   夕月に出で来る鹿の光る目見    秋月 私 目見(まみ)
36     獣舎の掃除終へてやや寒    秋  不夜
二ウ
37   揃ひ踏み時代祭のエキストラ    秋  栞
38     差し入れられた兵糧を食ふ      ふない
39   奉仕とは清々しきや道普請        私
40     大師の指図響く夏空      夏  不夜
41   水喧嘩いつのまにやら鎮まりて   夏  郎女
42     明けは撤回戻り梅雨とか    夏  私
43   メンバーもファンもやきもきカラ騒ぎ   栞
44     ツイッターには謎のつぶやき     不夜
45   どこまでをまこととするや万愚節  春  郎女
46     往く手遥かに蜃気楼立ち    春  栞
47   啄木忌海峡の町墓地の坂      春  ふない
48     たちまち髪をみだす春風    春  私
49   指名にてマイクを握る花の宴    春花 不夜
50     紙のコップに佳き酒を注ぐ      ふない
三オ
51   軒先に杉玉青し蔵開き          私
52     ネットショップへ増ゆるアクセス   不夜
53   大道の声懐かしや叩き売り        栞
54     ついふらふらと釣られさうなり    私
55   相席は苦み走った好い男         不夜
56     ニッカボッカの鳶職の群       ふない
57   外人の目にはクールと映るらし      私
58     屋根の間に覗く初富士     新年 栞
59   武蔵野の台地が河に果つところ      ふない
60     百万都市へと治水埋め立て      私
61   絶えんとす動植物の種のあはれ      不夜
62     さてもクニマス発見あっぱれ     私
63   仰天のセレンディピティなればこそ    栞
64     偶然はみな摂理なるらん       私
三ウ
65   逍遙のアリストテレス深き皺       不夜
66     アテネの庭に不穏なる風       郎女
67   かはらけを投げて厄除したくなり     栞
68     湖に舟出す黄昏の頃         不夜
69   寒鮒を漁る網の生臭さ       冬  ふない 漁る(すなどる)
70     粕汁をもて君を待ちをり    冬恋 郎女
71   誰がためにみがくや白き泥大根   冬恋 私
72     黒のタイツに悩殺されて    恋  栞
73   われを厭ふ娘に媚びて宝塚        私
74     冷めたる体で買ふ乙女餅       ふない
75   おぼろ月旅は帰りの虚しかり    春月 私
76     別れを告げる引鳥の群れ    春  栞
77   この花をユーラシアにて眺めむと  春花 ふない
78     桜の苗木を贈り交流      春  私
名オ
79   友情は文化の垣根越ゆるもの       不夜
80     ひらがな書きのメール行き交う    ふない
81   誤変換の指摘合戦疲れ出て        私
82     目頭押せば暑さくらくら    夏  不夜
83   クーラーに頼らぬ主義と強がりて  夏  郎女
84     頬ふくらませ瓜を食ひたり   夏  私
85   勧められ片腹痛し居候          栞
86     身分違ひでのれぬ縁談        私
87   三畳の応接室に栗羊羹       秋  ふない
88     色なき風の忍び込む窓     秋  不夜
89   有明に去りにしひとの残り香に  秋月恋 私
90     悲しき天使聴きて泣き濡れ   恋  栞
91   根拠なく自信と夢に満ちし日々      私
92     人を傷つけ人に傷つき        不夜
名ウ
93   荒野行けば夜毎けものの声を聞く     ふない
94     孤独はきつと成長の糧        私
95   ファイバーに光一筋通るまで       栞
96     暗中模索も無駄でなかりき      私
97   雪どけに一息つきて交わす笑み   春  郎女
98     浮かるるごとく蝶も舞ひ出づ  春  不夜
99   花咲けば人の賑はふ城跡に     春花 ふない
100    余韻はかなき弥生狂言     春  栞

百韻『コーヒーの』の巻

第五百韻 『コーヒーの』の巻
                   2010.12.09~2010.12.31

1 発句 コーヒーの運ばるる間に冬日落つ  冬  ふない
2 脇    胸にボーナスあるも一刻    冬  私
3 第三 寄り道をするか否かの思案して      不夜
4      目抜き通りに点る街灯        草栞
5    買ひ物は苦行に似たり荷物持ち      私
6      母娘のきづな再確認す        彼郎女
7    みどり児を懐きて盆の里帰り    秋  私 懐き(いだき)
8      渋滞つづく山の端を月     秋月 不夜
初ウ
9    とりあえず夜食に何か見つくろひ  秋  栞
10     睡魔と戦ふサッカー観戦       私
11   実況のうるさき声も気にならず      郎女
12     太子さながらながら勉強       私
13   山当ての名人なれば秀才に        栞
14     団扇の風を送り鼻歌      夏  不夜
15   夕涼み頬のほてりはおさまらず   夏  郎女
16     人目気にせぬキスの不意打ち  恋  私
17   コミケまで誘はるるまま初デート  恋  不夜
18     なりきり過ぎて逃避行へと   恋  栞
19   世はみなが役を演じる舞台とや      私
20     秘すれば花の心地こそすれ   春花 栞
21   春泥に靴跡の癖暴かれて      春  不夜
22     野掛けに浮かれる老いの童心  春  私
二オ
23   想ひ出のあとさき分かち難くなり     栞
24     放置していたブログ見返す      郎女
25   継続は力と訓示子に垂れて        私
26     ハローワークへ通ふせつなさ     不夜
27   旧友と再会すれど愚痴ばかり       郎女
28     くすぶる炭を寄せて一息    冬  栞
29   島の灯のかすめる夕べ雪もよひ   冬  私
30     瀬戸内海もやや波立ちぬ       不夜
31   開戦の報駆け廻り緊張す         栞
32     離婚届が最終兵器          郎女
33   目をつぶる限度はケースバイケース    私
34     釣瓶落としにまだ鬼ごっこ   秋  不夜
35   穂すゝきに隠る坊主を照らす月   秋月 私
36     遠近にきく砧淋しも      秋  不夜 遠近(おちこち)
二ウ
37   こぬひとをまつあきかぜのすさむみに 秋恋 私
38     せめて形見の香焚きしめむ   恋  不夜
39   ロケットの写真の謎は解けぬまま     栞
40     華麗な推理冴えるホームズ      私
41   愛用のパイプを指にもてあそび      不夜
42     息子のTASPO密かに借りぬ    郎女
43   コンビニの跡は野晒し販売機       私
44     倒れる前に水分補給         栞
45   苦しさに楽しむ余裕ある登山       私
46     里は畑焼くけぶり幾筋     春  不夜
47   はろばろと走る川面に風光る    春  私
48     花の散るごと揺れる浮き舟   春花 郎女
49   春暁に俤人が夢に立ち       春  栞
50     はつと覚めれば雉子のこゑなり 春  私
三オ
51   二日酔ひ指もてほじる耳の穴       不夜
52     遅刻は緩みとこごとうだうだ     私
53   壁時計故障したるを忘れをり       郎女
54     所構はず腹の虫鳴く         栞
55   遠巻きにただ見の餓鬼の紙芝居      私
56     語るも聞くもみな玉の汗    夏  不夜
57   熱帯夜門々そゞろ道に出て     夏  私
58     ともに歩みしひとを偲ばん   恋  郎女
59   別れても末に浄土で逢はんとぞ   恋  栞
60     誓ふた顔もしかと覚えず       ふない
61   証言に私語かまびすき裁判所       不夜
62     躱しうそぶく食へぬ政治家      私 躱し(かわし)
63   スクープは夜討ち朝駆け隠し撮り     不夜
64     朱に染む月に気づかないまま  秋月 郎女
三ウ
65   ジャズナンバー身に入むやうにスイングバイ 秋 栞
66     蔦這ふ壁にスプレーの文字   秋  不夜
67   アートとは規範を超えるものぞかし    私
68     世に隠るるをさらに厭はず      不夜
69   あこがれの内が華とは知りながら     私
70     追っかけしては何処か虚しき     栞
71   開通式けふはいづくと西東        不夜
72     槌音ひびく谷間の町         ふない
73   隠口の初瀬に宮居したまひて       私 隠口(こもりく)
74     残る氷を踏み駒を駆る     春  不夜
75   名にし負ふ臥龍栖むとや春の郷   春  私
76     塔の上より朧見渡し      春  栞
77   花片を地に落さぬは風の脈     春花 不夜
78     自然かうべの下がる義士祭   春  私
名オ
79   各々に異なる思ひ裡に秘め        栞
80     親しく言葉かはすオフ会       不夜
81   男かと決めつけ逢へば女なり       郎女
82     望まれ産まれし子こそ幸せ      私
83   今宵しも主の降誕を誉め称へ    冬  栞
84     歌ひ継がるる古き旋律        不夜
85   日本に弥栄あれや千代の春     新年 私
86     民が竈に嫁が君出づ      新年 不夜
87   丑寅の方位護りて福来たる        栞
88     援軍見ゆと出城沸き立つ       不夜
89   風向きや都合で変はる敵味方       私
90     オセロゲームに一喜一憂       栞
91   短夜にはや月白む窓の外      夏月 不夜
92     庭を見やれば手花火の屑    夏  郎女
名ウ
93   はだけたる浴衣なほしつ聞く鼾   夏  私
94     ナルコレプシー治ったかしら     栞
95   暖房の電車の揺れの心地よさ    冬  不夜
96     匂ふ乙女ら入り来花やぐ    雑花 私
97   初ざくらシートの番は若い衆    春  私
98     青きを踏めば弾むおしゃべり  春  不夜
99   山脈に積もる淡雪薄化粧      春  栞
100    春よ春よとうぐひすの鳴く   春  私

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