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座・twitter連歌 (下書)

twitterで興行中の連歌(@zrenga)記録用

   
カテゴリー「満尾」の記事一覧

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百韻 『野分雲』の巻

第一百韻 『野分雲』の巻
2011.09.05.~09.25.

1 発句 野分雲湧きて急かるる家路かな   秋  草栞
2 脇    すゝきが原のさわぐゆふぐれ  秋  私
3 第三 いつの世も名月はただ待たれゐて  秋月 ね子
4      鄙人さへもときに句を吐く      私
5    遠方の朋集まりて楽となす        栞
6      箸から滑り落つる湯豆腐    冬  ね子
7    ねぇあなた毛皮のコート買っていい? 冬 私
7    省エネで家の中でも着るダウン   冬  私
8      包み隠せぬオーラ立ち出で      栞 両句に
初ウ
9    ワルツ舞ふ仮面の二人刹那とて   恋  風牙
10     前世来世も夫婦なるべし    恋  ね子
11   出任せとおもへどうれし占ひ出      私
12     残り物には福の待つらん       栞
13   行列は流行りの店のAランチ       牙
14     学生気分にかへる古書街       私
15   紙魚の跡辿りてみても一人きり   夏  ね子
16     匂ひ袋に仕舞ふ遺言      夏  栞
17   父母逝きしままの家なり草いきれ  夏  牙
17   深淵に波紋残して岩魚消ゆ     夏  牙
18     少年の日を偲ぶふるさと       私 両句に
19   ポケットに珈琲飴が溶けてゐた      ね子
20     なごり雪さへ何時しか止みて  春  栞
21   青雲を暫し隠せよ花の雲      春花 牙
22     子が吹くシャボン玉の煌めき  春  ね子
二オ
23   何股もかけるところはママ譲り   恋  私
24     初デートには椿姫観る     恋  牙
25   南仏の海へ私も連れてって     恋  栞
26     未知を知ることこそ生きる糧     私
27   萌え萌えと会話を交はすメイドカフェ   ね子
28     持たす土産はえんま帳なり      栞
29   閉ざされし学舎の窓青嵐      夏  牙
30     夕立のなか跳ぶランドセル   夏  ね子
31   夏休み始まるときはえびす顔    夏  私
32     料理自慢の嫁を貰ひぬ        牙
33   けふもまたブログに写真アップして    栞
34     やゝ中毒の紅茶ブレイク       私
35   不知火の揺らめく夜を楽しまむ   秋  ね子
36     くノ一潜む朔日の月      秋月 栞
二ウ
37   菱摘みし池遠くなり家並ぶ     秋  牙
38     中古建て売り表札を見る       ね子
39   転勤は娘の転校を強ひにけり       私 娘(こ)
40     ポストにそっと返す合鍵    恋  牙
41   旧姓の年賀状見てショック受け  新年恋 栞
42     きみ住むかたに澄める初富士  新年 私
43  手に掬ひ雪解の水を味はへり     春  ね子
44    仄かに花の匂ふ気がして     春花 栞
45  蝋燭のただ揺らめく夜受難節     春  牙
46    為して成せるか日本再生        ね子
47  巌壁に怒涛の砕け散る飛沫         私
48    不良少女は髪を黒くし         牙
49  誘惑の逢魔時に身悶える       恋  栞
50    寄る辺さだめずまよふ浮舟    恋  私
三オ
51  記憶なき人を羨むひともゐて        ね子
52    忘年会の幹事頼まれ       冬  栞
53  カラオケの十八番重なり寒に入る   冬  牙
53  星付きの店人疎ら寒きびし      冬  牙
54    懐ぐあひ株価次第に          ね子 両句に
55  団塊の加齢でかはる世のしくみ       私
56    引き取る人の無いハムスター      牙
57  役立たぬ縁もゆかりも断捨離で       栞
58    もとは武士とや旅の墨染        私
59  いかやうな人目しのぶの乱れにて   恋  ね子
60    一途な想ひ色に出にけり     恋  栞
61  即興の曲は何処かで聴いたよな       牙
62    夢の国なるシンデレラ城        ね子
63  こはもても覚えずゑまふ花に月   春花月 私
64    辿々しくも踏む春舞台      春  牙
三ウ
65  蜃楼へ飛んで行きたし念力で     春  栞
66    玄奘の苦労たどるキャラバン      私
67  妖かしの跋扈するらし青き星        ね子
68    道理通らぬ政界の闇          栞
69  表情を変えずに待つは絵札なり       牙
70    逆転なるか王手飛車取り        ね子
71  ぶつぶつと聞こえよがしに妻の声      私
72    たかべの焼けるまでに一杯    夏  牙
73  目に留るノースリーブの白き腕    夏恋 栞
74    避暑地の恋と思ひたくなし    夏恋 私
75  愛人の五人六人まで数へ       恋  ね子
76    博士に返る手帳の記録         栞
77  決め玉を打たれるときの多くなり      牙
78    あれよあれよと神無月入り    冬  ね子
名オ
79  散り残る木の葉すがるや初しぐれ   冬  私
80    駆け出し記者は狙うスクープ      牙
81  リツイートされる噂は真ならず       栞
82    避難袋をもどす押入れ         私
83  缶詰の賞味期限を確かめて         ね子
84    誰に食はすか秋茄子の山     秋  栞
85  意地悪な雲の邪魔する月今宵     秋月 牙
86    水澄むときに死んでゆきたし   秋  ね子
87  芋の露連山影を正しうす       秋  蛇笏
88    最後の授業終へて一礼         牙
89  極上のアルザスワインどうですか?     栞
90    上司にゴマをするも身の為       私
91  セサミンとセシウムときに言ひ違へ     ね子
92    毒も薬も隣り合はせに         栞
名ウ
93  やつがれに冬薔薇とは勿体なし    冬  氷心
94    イブの夜なれば奇跡一つも    冬恋 牙
95  気のせいかモテ期に入り紅を差す   恋  ね子
96    楽屋入りするあなた浮かべて   恋  栞
97  薄氷の下に蠢くもののあり      春  牙
98    花を訪ねて巡る諸国よ      春花 ね子
99  忘れ得ぬ同行二人旅遍路       春  栞
100   肩を揉みあふ温き縁側      春  氷心
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百韻『五月雨を』の巻

第十百韻 『五月雨の』の巻
2011.06.01~07.03

1 発句 五月雨の降りてとゝのふ山田かな  夏  私
2 脇    一軒家にて祝ふ早苗饗     夏  草栞 早苗饗(さなぶり)
3 第三 遠方に幼言葉の聞こえゐて        ね子 遠方(をちかた)
4      孫より猫を可愛がる祖父       私 祖父(じじ)
5   一日を無為に過ぐして夜長し     秋  ね子
6     更待月の侘しさに堪え      秋月 栞
7   あはれ蚊を障子の外にみちびいて   秋  私
8     手塩に掛けし弟子の旅立ち       ね子
初ウ
9   マジックのBGM を一新し          栞
10    夢の舞台に乙女らが舞ふ        郎女
11  タカラヅカデートとしては高くつき  恋  私
12    口説いてみればニューハーフなり 恋  ね子
13  水仙の甘きかほりの似合ふひと    冬  郎女
14    石焼薯をやり過ごせずに     冬  栞
15  江戸情緒たづね歩いて路地や辻       私
16    行き止まりにぞ好機潜める       ね子
17  からくりを張り巡らせて古屋敷       郎女
18    人目隠れて棲む小人たち        栞
19  家事すればただと人情大家さん       私
20    新入生は同郷訛り        春  ね子
21  花むしろ守りを頼む知らぬ顔     春花 郎女
22    巣立ち鳥来て餌をついばむ    春  栞
二オ
23  事もなく油揚げなど掻つ攫ひ        ね子
24    金がもの言ふ企業買収         私
25  失敗といふオプションは考慮せず      栞
26    ただ白球を追ひ駆けるのみ       郎女
27  松ばやし木下闇は涼しかり      夏  私
28    物の怪の気に満ち満ちてゐる      ね子
29  丑三つの刻に煌めく五芒星         郎女
30    美神を前に僕となりて         栞 僕(しもべ)
31  新婚の課長定時に帰宅する      恋  ね子
32    月もよしとて急遽合コン    秋月恋 私
33  飲み比べ薦め酔はせる濁酒      秋  栞
34    からりからりと瓢かわきぬ    秋  郎女 瓢(ひさご)
二ウ
35  ガラス戸に陽射しやはらぐ六畳間      私
36    ご飯ですよの声懐かしく        ね子
37  子らの手を引いて訪ねる独身寮       郎女
38    白旗掲げ一時休戦           栞
39  与党対野党にあらず枯野原      冬  ね子
40    うらは無心にゆりかもめ舞ふ   冬  私 うら(浦 and/or 心)
41  空の木にいざ言問はん天の声        栞
42    少女の熱き想ひをのせて     恋  郎女
43  あへぬまゝ月日流るゝ花筏     春花恋 私
44    八十八夜を駆けてゆきたし    春  ね子
45  ゴールデンウィークこそが稼ぎどき  春  郎女
46    句集作りのSOHO倶楽部         栞
47  育メンは仕事半ばに席を立つ        ね子
48    チャイムとゝもに帰るコールか     私
49  教室に携帯電話置き忘れ          栞
50    夜が明けるまでwebでツイート    郎女
三オ
51  essayを作家気取りで書きためて    私
52    つれづれ過ぎてものぐるほしけれ    ね子
53  原文で読めと言はれてみたものゝ      郎女
54    野外シネマで恋のレッスン    恋  栞
55  満月は狼男を誑かし        秋月恋 ね子
56    遠き雲居を走る稲妻       秋恋 私
57  わびぬれて浅茅が宿に辿り着き    秋  栞
58    昔語りに涙雨ふる           郎女
59  同期会かほでわからず名乗り合ひ      私
60    ガキ大将は文部大臣          ね子
61  まあ俺についてこいよと胸を張る      郎女
62    なさねばならぬメダル獲得       栞
63  一日ですつからかんのラスベガス      ね子
64    あだな燭蛾に悔いはあるまじ   夏  私 燭蛾(しょくが)
三ウ
65  井戸水で冷した西瓜いさぎよく    夏  栞
66    叩きて割れば色あざやかに       郎女
67  あらうれし明石の塩がま桜鯛     春  私
68    眼にちらり浮かぶ春愁      春  ね子 眼(まなこ)
69  いもうとも卒業の日を迎へをり    春  郎女
70    謝恩の席に集ふ花の輪      春花 栞
71  幾年の思ひを胸に秘めたまま        ね子 幾年(いくとせ)
72    打てば血がわく祇園太鼓よ    恋  私
73  待ちきれず小路の茶屋に誘ひ入れ   恋  栞
74    団子喰ふ間に入る横槍         郎女
75  すいとんが美味でひもじさ伝はらず     私
76    思ひやらるる夏の節電      夏  ね子
77  それなりの制約がありクールビズ   夏  郎女
78    掟破りのヒーロー出でよ        栞
名オ
79  変身を試みれども我はわれ         ね子
80    ちまたの小町に返す流し目    恋  私
81   短くも美しく燃え露と散る     秋恋 栞
82    残る蛍は君がたましひ      秋恋 郎女
82    月見の酒に酔はされるまゝ    秋月 郎女
83  ほのゆれてうつろひ初むる秋の草   秋  私 両句に
84    浦の苫屋は人影もなし         ね子
85  今むかし藻塩の身をや焦がすとふ      郎女
86    夕餉のけむり立ちのぼりつつ      栞
87  買ひだめもいいものですと冬籠り   冬  ね子
88    積読本を炉辺に読まばや     冬  私 積読本(つんどくぼん) 炉辺(ろべ)
89  寝ては覚め謎解き推理繰り返し       栞
90    パズルの付いた日めくりめくる     郎女
91  仏壇に快気お礼の香焚いて         私
92    昨夜の夢はラベンダー色     夏  ね子
名ウ
93  久方のすがしき寝覚め避暑のやど   夏  郎女
94    窓の向こうはマグリットの絵      栞
95  現世とは何かと問はれ目を逸らす      ね子
96    むゝゝと唸りどつと冷や汗       私
97  奪衣婆の座る番台後にして         栞
98    川面見やれば風きらめけり       郎女
99  晴れ晴れと春を感じて花盛り     春花 ね子
100   ひらりひらりと初蝶の舞ふ    春  郎女

百韻『復興の』の巻

第九百韻 『復興の』の巻
2011.05.01~05.28

1 発句 復興のそら泳ぎゆけ鯉のぼり    夏  ね子
2 脇    疎林にわか葉のもどる山里   夏  私
3 第三 廃屋の方に薪割る音のして        不夜
4     煮炊きをすれば生きた心地に      草栞
5   順繰りと臓腑に染みる燗の酒     冬  夢
6     年用意にはぬかりなきなり    冬  私
7   越せぬ瀬を越して安堵の息ひとつ      不夜
8     夜逃げの友が呉れし絵手紙       ね子
初ウ
9   もとの身のまゝに過ごせし我の居て     郎女
10    むかへの夫にきつく釘刺す       私 夫(つま)
11  欠け落ちたジグソーピース見つけ出し    栞
12    太宰治を繙く夜に           夢 繙く(ひもとく)
13  春風にとゞめ難きは恋ごゝろ     春恋 私
14    ふらこゝ揺すり誰を奪はむ    春恋 不夜
15  そのかみの朧月夜が胸焦がす    春月恋 ね子
16    熊座に宿る淡き星影          栞
17  偉丈夫に添ふ花嫁の麗しく      雑花 私
17  触れないで我が花言葉は復讐よ    雑花 夢
18    たおやかさほど怖いもの無し      夢 両句に
19  午睡覚め県居の大人独りごつ     夏  不夜 県居の大人(あがたいのうし)
20    大江戸線に置き去りの傘        ね子
20    紙魚の痕にも意味あらぬかと   夏  郎女
20    風鈴売りの初声を聞き      夏  夢
21  まどろめば膝より落つる文庫本       郎女 三句に
21  ハネ怖しお洒落もしたし絽の着物   夏  夢 三句に
22    せめてセレブに近場クルーズ      私 両句に
二オ
23  別荘を徘徊しては品定め          栞
24    ジャーナリストの性は禿鷹       不夜
25  英国の新婚夫婦を憂ひをり         ね子
26    八月尽に大輪の薔薇       秋  夢(+栞)
27  秋暑し“亜熱帯化”に真実味     秋  私
28    蜻蛉を知らぬままに育ちて    秋  ね子 蜻蛉(とんぼ)
29  屋上に玉兎を愛づる都市暮らし    秋月 不夜
30    機械仕掛けのホームシアター      夢
31  印籠が出ると悪党平伏し          私
32    不幸で終はる大団円なし        私
33  闌を待たずして散る壬生の花     春花 夢
34    春闘といふ年中行事       春  ね子
35  つい朝寝髪気にしつつ論を張る    春  不夜
36    夫婦喧嘩も三日目になり     恋  ね子
二ウ
37  遺されたルージュ愛しく後追ひて   恋  栞
38    罠としりつゝ嵌まる駆け引き      私
39  木偶となる快楽もありて傀儡師       夢 快楽(けらく)傀儡師(かいらいし)
40    失脚懲りずに狙ふ政権         私
41  風評も七十五日で治めたし         ね子
42    旅路の果てに山梔子香る     夏  夢
43  擦り切れたサドルの革に汗の染み   夏  不夜
44    ブレーキつよく握る坂道        郎女
45  やまぎはゝ釣瓶落して照り残る    秋  私
46    棚田の縁に曼珠沙華咲き     秋  栞
47  前掛の地蔵の胸に赤い羽根      秋  ね子
47  面影や袖の涙に宿る月        秋月 夢
48    年経る布の色あはれなる        不夜 両句に
49  漂泊の詩人の影を追慕して         私
49  乳を絶つ愛しき痛みよみがえり       夢
50    なほ脛齧るわが子気遣ふ        私 両句に
50    殻破らんとする鳥見つめ        栞 両句に
三オ
51  凩に道行く人は襟立てて       冬  ね子 両句に
52    あたかも心隠す如くに         不夜
53  如何に舞はむ瀕死の白鳥人の身で      夢
53  指先でノの字を書いて微笑せり       郎女
54    魔法の呪文あれば重宝         不夜 両句に
55  エクスペリアームス大佐覚悟せよ      栞
56    外堀埋めて男を落とし      恋  夢
57  横恋慕他人のものはよく見える    恋  私
58    監獄ロック愛欲の果て      恋  栞
59  各部屋に同じかたちの同じ空        郎女
60    合わせ鏡に∞の私           夢 ∞(むげん)
61  1と2で世を支配するコンピューター    ね子
62    あやなくさめるはるのよのゆめ  春  私
63  引き潮の沖に出てゆく花筏      春花 不夜
64    涅槃の西風ふと止みて凪     春  夢
三ウ
65  胸はだけライダースーツ舌打ちす      不夜
66    発車ブザーの響く改札         夢
67  みなし児の名を呼ぶ声もかき消され     栞
68    初夏のプリンス・エドワード島  夏  ね子
69  青芝のうねりて赤き屋根の家     夏  不夜
70    まだ宵ながら月涼しげに     夏月 栞
71  夕化粧白きうなじのにほひ立ち    秋恋 夢
72    けふは秋刀魚とばれる愛の巣   秋恋 私
73  刈田づらその一隅にミニ戸建て    秋  私
74    虫の音深く夜を護れり      秋  ね子
75  サイレンに和すは無駄吠えとは言へず    私
76    鼻にもかけぬ捜査能力         栞
77  香水で“異文化交流”感づかれ       私
78    シルクロードを西へひた行く      ね子
名オ
79  強東風に今日もひねもす黄砂舞ふ   春  私 強東風(つよごち)
80    麗らかな海待ち遠しくて     春  栞
81  名にし負ふGENPATSU近く馬酔木咲く  春  ね子
82    花はつぼみと下見報告      春花 私
83  温暖化実は真つ赤なうそらしい       私
84    ネットサーチで俄かべんきやう     私
85  初恋の歴女と語り明かさうと     恋  ね子
86    かのひと追つて旅のやど替へ   恋  私
87  余らせた青春切符握りしめ         栞
88    日焼けの肩が思ひ出となる    夏  ね子
89  尾根道をなきつつ過る杜鵑      夏  私
90    通ひなれたる若狭人待ち        栞
91  雲間からやうやう出でて後の月    秋月 ね子
92    庭の白茅にやどる老蝶      秋  私 白茅(ちがや) 老蝶(おいちょう)
名ウ
93  つゆのみといへどおぼえずながらへて 秋  私
94    あらたに見ゆる秋のゆふぐれ   秋  栞
95  かしましき娘三人嫁がせて         ね子
96    わたし好みに亭主改造         私
97  初めてのパスポート取り服選び       ね子
98    胸も高鳴る登竜門へ          栞
99  祈りにも似たる今年の桜咲き     春  ね子
100   経読鳥のこゑも清やけく     春  私

百韻 『垂乳根の』の巻

第八百韻 『垂乳根の』の巻
                   2011.04.01~04.18

1 発句 垂乳根の母ふと寂し弥生尽     春  夢
2 脇    はらはら肩にかゝる花びら   春花 私
3 第三 洋上の東風異国より来たるらむ   春  ね子
4      小瓶に詰めた手紙拾ひて       草栞
5    モチベーション溢れるままに曲作り    リュウ
6      気づけば空のいろ移りけむ      郎女
7    黙つても気詰まりしない旧き友      私
8      汝が名忘るる我を許せよ       不夜
初ウ
9    秋彼岸一輪早き契草        秋  夢
10     蟷螂なればいつそ食はれん   秋恋 ね子 蟷螂(たうろう)
11   共寝して月を見上ぐる怠け者   秋月恋 ふない
12     若き牡鹿の声懐かしき     秋恋 夢
13   立ち寄ったマンガ喫茶はレトロ風     リュウ
14     一反もめん暖簾にいかが       栞
15   もの売りの吐く息白き勝手口    冬  不夜
16     討ち入りの日は遂に決せり   冬  私
17   ネクタイを結んでほどきまた結ぶ     ふない
18     迷路のごとき地下駐車場       ね子
19   買ひだめは駄目と知りつゝ弥次郎兵衛   私
20     両手に何を持ちて帰らむ       郎女
21   倒産の倉庫整理の明易し      夏  不夜
22     酒酔星は泪色して       夏  リュウ
二オ
23   短冊に夢書きし子も嫁ぎ行き       夢
24     猫と煮干を分け合うてゐる      ね子
25   幸せは己が心で決めるもの        私
26     レモンかじりし君の目が言ふ  秋  夢
27   密やかな仕掛けのごとく稲つるび  秋  栞
28     花野に落ちる鉄塔の影     秋  ふない
29   有明にシベリア鉄道驀進す     秋月 リュウ
30     寡黙な客の髪は砂色         不夜
31   吉原の遊びが過ぎて縁切られ       ね子
31   同じ席いつものあれを注文す       郎女
32     忘れられぬは馴染みのにほひ     郎女 両句に
33   一押しのパン屋にはかに店仕舞      私
34     霙の濡らす貼り紙の文字    冬  不夜
35   束の間に聖樹映せるマッチの火   冬  栞
35   かたしきの袖の時雨も氷つき    冬恋 夢
36     覚めぬ夢こそ永久に見まほし  恋  夢 両句に
二ウ
37   ときめきの薄れるころにつぎの恋  恋  私
38     自転車操業せねば回らず       栞
39   母の日は母を休ませ母代はり    夏  ね子
40     白玉茹でる大鍋の湯気     夏  ふない
41   「トルコ風呂」淫らと言われ丸くなり   夢
42     絵は省略とデフォルマシオン     私
43   爆発の後もじわじわ熱帯びて       栞
44     空と海とのまぐはひの刻       リュウ
45   明星が口に飛び込み大悟する       私
45   見つけたよ、何を?ってほら永遠を    夢
46     理解者なくば天才ならず       不夜 両句に
47   むだ口を叩き喫茶の夜は更けぬ      ふない
48     入学式を終えて一息      春  郎女
49   花見する人を横目の忙しさ     春花 不夜
50     芋は煮えれど棒鱈煮えず    春  夢
三オ
51   レシピには載せぬ秘伝のありぬべし    私
52     微妙な違ひたれも解らず       栞
53   八百長の噂に力士押し切られ       ね子
54     切り返せずに首捻りつつ       私
55   仮免許にて舵をとる無鉄砲        不夜
56     由良のと渡るお七じゅうろく     夢
57   愛しさの増せば苦もます狂ほしさ  恋  私
58     文も寄越さぬ君のつれなさ   恋  郎女
59   巻き湯葉に結び針魚の春の椀    春  夢 針魚(さより)
60     ちらちら雛をみてはおすまし  春  私
61   篝火のただ煌めきて朧月      春月 夢
62     橋のたもとに狂女舞ふゆめ      ね子
63   語り聞く遠き昔の人柱          不夜
64     伝へる術も今はブログに       栞 術(すべ)
三ウ
65   あへてする告白炎上期してをり      私
66     時に汚名も売名となる        私
67   上げ下げはムードで変はるマスメディア  私
67   ロックスタードラッグの沼玻璃の蓮 夏  夢
68     うつけ者こそ覇王の乱世       夢 両句に
69   創造に必要なのは非常識         私
70     グラスの底に顔よあれかし      不夜
71   二丁目に河岸を変へたか人相見      ね子
72     おねえ口調は処世術なり       私
73   ACのリフレインには愛想尽き      栞
74     カフェdeブレイク気分さはやか 秋 私
75   はじかみの鮮烈にして秋の鯖    秋  夢
76     柿の一葉を添える去来忌    秋  栞
77   風そばふ嵯峨のまほらの花紅葉   秋花 私
77   面影や仕舞ひも出来ぬ花灯籠    秋花 夢
78     消せぬ炎のいと浅ましき    恋  夢 炎(ほむら) 両句に
名オ
79   我が魂を結び留めむ君いづこ    恋  ね子
80     祈れば来たるものならなくに     郎女
81   みちのくのしのぶるたみにさちよあれ   私
82     ラピスラズリの夕闇の下       栞
83   工房に絵の具をつくる音しきり      不夜
84     身を粉に砕く様のうつくし      私
85   香味触フリーズドライで進化して     夢 香味触(こうみそく)
86     軽さの価値を思ひ知る山       私
87   朝寒に師僧笑って震へをり     秋  ふない
88     敗荷といふ美学もありて    秋  ね子 敗荷(やれはす)
89   名月の酒に飛び出すアート論    秋月 私
89   夜も更けて猪口に映るは後の月   秋月 栞
90     飲み干したればしばし去れ友     不夜 両句に
91   ひもとけば古今の知己のそこにあり    夢
92     頁のノドに紙魚が隠れる    夏  ふない
名ウ
93   暑がりにあはせ設定する温度    夏  私
94     ウルトラマンも弱る節電       栞
95   ヒーローになるもなれぬも時の運     郎女
96     ただひたすらに追ひかける夢     不夜
97   帰郷する球児の頬に花の風     春花 夢
98     斑雪は吉と出でし山肌     春  私 斑雪(はだれ)
99   げんげ田に農作業車を走らせて   春  ふない
100    春祭り待つ友ら楽しも     春  ね子

百韻 『椿市の』の巻

第七百韻 『椿市の』の巻
                   2011.03.02~2011.03.21

1 発句 椿市の乙女の名さへ忘れけり    春  草栞
2 脇    かすむ思ひ出たどり大和路   春  私
3 第三 亀の鳴く聲に呼ばるる心地して   春  郎女
4      雨戸開ければ静かなる庭       不夜
5    羽目板の狭間に細き日の光        ふない
6      硯の蓋に埃積もれる         栞
7    まどろめば月影うごく文机     秋月 不夜
8      利き酒セットでかほど酔ふとは 秋  私
初ウ
9    新蕎麦を振る舞はんとて二人連れ  秋  ふない
10     美術の秋もにはか蘊蓄     秋  私
11   絵心のあれば惹かれる恋心     恋  栞
12     思ひつめては見えぬ現実    恋  不夜
13   君がため幾度ハイウェイ走りしか  恋  郎女
14     都市間バスの集ふ駅前        ふない
15   錦なき身では故郷に帰れない       私
16     無駄な意地だとひとは言ふけど    私
17   禁煙と称して電子タバコ吸ふ       不夜
18     啓蟄なればそつと這ひ出し   春  栞
19   おにぎりを貰ひ早立ち遍路宿    春  私
19   校舎裏ひとり始業の鐘朧      春  夢
20     花の香りの消え切らぬうち   春花 ふない 両句に
21   清らかにほゝゑむナースに幸ぞあれ    私
22     ノルマ厭はず身を尽くすとや     栞
二オ
23   シベリアの日々をおもへば易きこと    郎女
24     家の中でもダウン着てゐる   冬  私
25   見てはだめ私が機を織るところ      夢
26     銀河を渡るその日来るまで   秋  不夜
27   いく度の荒波越えて望くだり    秋月 栞
28     欠けたる碗で里芋を食ふ    秋  ふない
29   すれ違ふ虫の垂れ衣艶かし     恋  夢
30     手加減せずに腹つねる妻    恋  私
31   阿も吽も知り尽くしたる間柄    恋  不夜
32     相棒あつての事件解決        栞
33   納涼舟粋でいなせな江戸の宵    夏  夢 納涼舟(すずみぶね)
34     音なく花火の上がる遠ち方   夏花 私 遠ち方(をちかた)
35   つれづれに刺し子をしつゝ見やる窓    郎女
36     うつれる顔に母のおもかげ      私
二ウ
37   ハネムーン葉書一枚寄越しけり      ふない
38     嫦娥つれなく弓も届かず   秋恋月 夢
39   晩稲刈る野良の娘に惚れ直し    秋恋 栞
40     色草の身の遊女儚し      秋恋 夢
41   こころまでは売らぬ矜持を保ち生き    私
42     古老に似たりサーカスの象      ふない
43   万物の長と言ふこそ驕りなれ       私
44     流転の末に忍び寄る危機       栞
45   悠然とけふも乞食山頭火         不夜 乞食(こつじき)
46     旧街道の辻を横切る         ふない
47   囀りの影羽ばたきて春障子     春  夢
48     吾児が仕切りの雛のまゝごと  春  私 吾児(あこ)
49   降り積もるブルーシートの桜蕊   春  不夜
50     水泡の筏消えつ結びつ        夢 水泡(みなわ)
三オ
51   瀬を早み岩によどめる恋の川    恋  私
52     また逢ふ日まで契り守りて   恋  栞
53   遠ざかるバスの後席夏帽子     夏  不夜
54     二重の虹のトンネルに入る   夏  郎女
55   開演のブザー響きて宝塚         夢
56     トーン下がれどやまぬざわめき    私
57   こつこつと襖仕切を指で打つ    冬  ふない
58     時間稼ぎに生姜湯を出し    冬  栞
59   図書館で日暮らす主に電話して      私
60     実家へ帰る旨を告げたり       不夜
60     あはれ知る身のかなかなの声  秋  夢
61   延べ段に小花こぼるゝ萩の寺    秋  私 両句に
62     さやけき月の宿と為さんや   秋月 郎女
63   茸籠は逝きし嫗の形見にて     秋  栞
64     軍手を嵌めて山に踏み込む      ふない
三ウ
65   末黒野の春の息吹を信じつつ    春  夢
66     東風吹く中を犬と遊ばむ    春  不夜
67   宴飽きてくゞる小袖の花の幕    春花 私
68     ふと我にのみつき纏ふ虻    春  私
69   もそつとで痒い所に手の届き       栞
70     金が梯子の吉原天守         夢
71   猪牙舟にけふも其角の姿あり       不夜 猪牙舟(ちょきぶね)
72     ふる傷痛しあすは雨かも       私
73   病室で父方の祖父笑ひけり        ふない
74     家業を継ぐと方便のうそ       私
75   無心には殺し文句を用意して       私
76     顔を洗つて出直す覚悟        栞
77   ふつか酔ひ頭かゝえる昼寝覚め   夏  郎女
78     糸瓜の花の上に飛行機     夏  ふない
名オ
79   陽炎の線路遥かに無人駅      春  夢 陽炎(かぎろひ)
80     はや春月の出づる山の端    春月 不夜
81   掌にすれば福来たるらし落し角   春  栞
82     玉藻妲己も我が虜にて     恋  夢
83   ラブゲーム本気にさせてそつと逃げ 恋  私
84     得がたいものは永遠のときめき    私
85   印象の光に溶ける海と舟         夢
86     題名のない曲の愉しみ        栞
87  人生は変転やまぬストーリー        私
88    終の棲家は雪積む里か      冬  不夜
89  楼台の灯り眺めつ寒施行       冬  栞
90    ふと花の香の溢つ暗闇に     春花 夢
91  こころあてに待てば夢見の春の夜半  春恋 私
92    お伊勢参りの草紙ひもとく    春  ふない
名ウ
93  リフレッシュ休暇もらへど素寒貧      私
94    煩悩だけは無尽蔵なり         栞
95  我が住むは資源少なき秋津島        不夜
96    見飽きつることなき富士の山      郎女
97  折々の襲の色目麗しく           夢
98    温度分布に一喜一憂          栞
99  多様なるひとの違ひを受け入れむ      私
100   幸くとばかりともに唄ひて       郎女 幸く(さきく)

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