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座・twitter連歌 (下書)

twitterで興行中の連歌(@zrenga)記録用

   
カテゴリー「満尾」の記事一覧

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百韻 『鴛鴦や』の巻

第六百韻 『鴛鴦や』の巻
                   2011.01.21~2011.02.18

1 発句 鴛鴦や川面を撫でる明けの色    冬  郎女
2 脇    陽あたり側に笑まふ早梅    冬  私
3 第三 とり出だす句帳はいまだ白紙にて     不夜
4      ポットで淹れる煎茶一服       草栞
5    あれこれとまんじゅう試食ほぼ手ぶら   私
6      ケチケチ・ツアーはせこさ慣らしむ  私
7    検索の労を厭はず月の宿      秋月 不夜
8      柞紅葉にかかる湯けむり    秋  私 柞紅葉(ははそもみぢ)
初ウ
9    ボジョレーを楽しみにして風呂上がり 秋 郎女
10     髪かきあげる君はセクシー   恋  私
11   天才の描く女神に一目惚れ     恋  栞
12     こころ浮わつく彼に肘鉄    恋  郎女
13   大南風走り出したら止まらない   夏  不夜 大南風(おおみなみ)
14     グランドに水を撒く一年坊   夏  ふない
15   信ずべしおのが無限の可能性       私
16     賞受けたるは通過点にて       栞
17   あへぎつつペダルを漕いで峠越え     私
18     雪消しずくに喉をうるほす   春  不夜
19   月の出もいつとは知れず花朧   春花月 栞
20     きーこきーことふらここが鳴る 春  私
21   メーデーの行列すぎて人まばら   春  不夜
22     独身寮に届く絵手紙         郎女
二オ
23   ざらざらと洗ふた箸の乾く頃       ふない
24     そば屋の夕の仕込み始まる      私
24     エコの参加はリサイクルから     私
25   天ぷらの揚げ油にもこだわりを      郎女 両句に
26     手抜きをしないプロとアマの差    私
27   入念にからだほぐしていざ本番      不夜
28     寒声高く洩れ聴こえたる    冬  栞
29   マフラーを忘れて戻る細き路地   冬  ふない
30     作家志望の彼は太宰似     恋  私
31   女生徒の淡き想ひに気がつかぬ   恋  郎女
32     実習期間済めば去る人     恋  不夜
33   ”農業の体験”実は嫁募集        私
34     休耕田で吠える柴犬         ふない
35   夕月に出で来る鹿の光る目見    秋月 私 目見(まみ)
36     獣舎の掃除終へてやや寒    秋  不夜
二ウ
37   揃ひ踏み時代祭のエキストラ    秋  栞
38     差し入れられた兵糧を食ふ      ふない
39   奉仕とは清々しきや道普請        私
40     大師の指図響く夏空      夏  不夜
41   水喧嘩いつのまにやら鎮まりて   夏  郎女
42     明けは撤回戻り梅雨とか    夏  私
43   メンバーもファンもやきもきカラ騒ぎ   栞
44     ツイッターには謎のつぶやき     不夜
45   どこまでをまこととするや万愚節  春  郎女
46     往く手遥かに蜃気楼立ち    春  栞
47   啄木忌海峡の町墓地の坂      春  ふない
48     たちまち髪をみだす春風    春  私
49   指名にてマイクを握る花の宴    春花 不夜
50     紙のコップに佳き酒を注ぐ      ふない
三オ
51   軒先に杉玉青し蔵開き          私
52     ネットショップへ増ゆるアクセス   不夜
53   大道の声懐かしや叩き売り        栞
54     ついふらふらと釣られさうなり    私
55   相席は苦み走った好い男         不夜
56     ニッカボッカの鳶職の群       ふない
57   外人の目にはクールと映るらし      私
58     屋根の間に覗く初富士     新年 栞
59   武蔵野の台地が河に果つところ      ふない
60     百万都市へと治水埋め立て      私
61   絶えんとす動植物の種のあはれ      不夜
62     さてもクニマス発見あっぱれ     私
63   仰天のセレンディピティなればこそ    栞
64     偶然はみな摂理なるらん       私
三ウ
65   逍遙のアリストテレス深き皺       不夜
66     アテネの庭に不穏なる風       郎女
67   かはらけを投げて厄除したくなり     栞
68     湖に舟出す黄昏の頃         不夜
69   寒鮒を漁る網の生臭さ       冬  ふない 漁る(すなどる)
70     粕汁をもて君を待ちをり    冬恋 郎女
71   誰がためにみがくや白き泥大根   冬恋 私
72     黒のタイツに悩殺されて    恋  栞
73   われを厭ふ娘に媚びて宝塚        私
74     冷めたる体で買ふ乙女餅       ふない
75   おぼろ月旅は帰りの虚しかり    春月 私
76     別れを告げる引鳥の群れ    春  栞
77   この花をユーラシアにて眺めむと  春花 ふない
78     桜の苗木を贈り交流      春  私
名オ
79   友情は文化の垣根越ゆるもの       不夜
80     ひらがな書きのメール行き交う    ふない
81   誤変換の指摘合戦疲れ出て        私
82     目頭押せば暑さくらくら    夏  不夜
83   クーラーに頼らぬ主義と強がりて  夏  郎女
84     頬ふくらませ瓜を食ひたり   夏  私
85   勧められ片腹痛し居候          栞
86     身分違ひでのれぬ縁談        私
87   三畳の応接室に栗羊羹       秋  ふない
88     色なき風の忍び込む窓     秋  不夜
89   有明に去りにしひとの残り香に  秋月恋 私
90     悲しき天使聴きて泣き濡れ   恋  栞
91   根拠なく自信と夢に満ちし日々      私
92     人を傷つけ人に傷つき        不夜
名ウ
93   荒野行けば夜毎けものの声を聞く     ふない
94     孤独はきつと成長の糧        私
95   ファイバーに光一筋通るまで       栞
96     暗中模索も無駄でなかりき      私
97   雪どけに一息つきて交わす笑み   春  郎女
98     浮かるるごとく蝶も舞ひ出づ  春  不夜
99   花咲けば人の賑はふ城跡に     春花 ふない
100    余韻はかなき弥生狂言     春  栞
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百韻『コーヒーの』の巻

第五百韻 『コーヒーの』の巻
                   2010.12.09~2010.12.31

1 発句 コーヒーの運ばるる間に冬日落つ  冬  ふない
2 脇    胸にボーナスあるも一刻    冬  私
3 第三 寄り道をするか否かの思案して      不夜
4      目抜き通りに点る街灯        草栞
5    買ひ物は苦行に似たり荷物持ち      私
6      母娘のきづな再確認す        彼郎女
7    みどり児を懐きて盆の里帰り    秋  私 懐き(いだき)
8      渋滞つづく山の端を月     秋月 不夜
初ウ
9    とりあえず夜食に何か見つくろひ  秋  栞
10     睡魔と戦ふサッカー観戦       私
11   実況のうるさき声も気にならず      郎女
12     太子さながらながら勉強       私
13   山当ての名人なれば秀才に        栞
14     団扇の風を送り鼻歌      夏  不夜
15   夕涼み頬のほてりはおさまらず   夏  郎女
16     人目気にせぬキスの不意打ち  恋  私
17   コミケまで誘はるるまま初デート  恋  不夜
18     なりきり過ぎて逃避行へと   恋  栞
19   世はみなが役を演じる舞台とや      私
20     秘すれば花の心地こそすれ   春花 栞
21   春泥に靴跡の癖暴かれて      春  不夜
22     野掛けに浮かれる老いの童心  春  私
二オ
23   想ひ出のあとさき分かち難くなり     栞
24     放置していたブログ見返す      郎女
25   継続は力と訓示子に垂れて        私
26     ハローワークへ通ふせつなさ     不夜
27   旧友と再会すれど愚痴ばかり       郎女
28     くすぶる炭を寄せて一息    冬  栞
29   島の灯のかすめる夕べ雪もよひ   冬  私
30     瀬戸内海もやや波立ちぬ       不夜
31   開戦の報駆け廻り緊張す         栞
32     離婚届が最終兵器          郎女
33   目をつぶる限度はケースバイケース    私
34     釣瓶落としにまだ鬼ごっこ   秋  不夜
35   穂すゝきに隠る坊主を照らす月   秋月 私
36     遠近にきく砧淋しも      秋  不夜 遠近(おちこち)
二ウ
37   こぬひとをまつあきかぜのすさむみに 秋恋 私
38     せめて形見の香焚きしめむ   恋  不夜
39   ロケットの写真の謎は解けぬまま     栞
40     華麗な推理冴えるホームズ      私
41   愛用のパイプを指にもてあそび      不夜
42     息子のTASPO密かに借りぬ    郎女
43   コンビニの跡は野晒し販売機       私
44     倒れる前に水分補給         栞
45   苦しさに楽しむ余裕ある登山       私
46     里は畑焼くけぶり幾筋     春  不夜
47   はろばろと走る川面に風光る    春  私
48     花の散るごと揺れる浮き舟   春花 郎女
49   春暁に俤人が夢に立ち       春  栞
50     はつと覚めれば雉子のこゑなり 春  私
三オ
51   二日酔ひ指もてほじる耳の穴       不夜
52     遅刻は緩みとこごとうだうだ     私
53   壁時計故障したるを忘れをり       郎女
54     所構はず腹の虫鳴く         栞
55   遠巻きにただ見の餓鬼の紙芝居      私
56     語るも聞くもみな玉の汗    夏  不夜
57   熱帯夜門々そゞろ道に出て     夏  私
58     ともに歩みしひとを偲ばん   恋  郎女
59   別れても末に浄土で逢はんとぞ   恋  栞
60     誓ふた顔もしかと覚えず       ふない
61   証言に私語かまびすき裁判所       不夜
62     躱しうそぶく食へぬ政治家      私 躱し(かわし)
63   スクープは夜討ち朝駆け隠し撮り     不夜
64     朱に染む月に気づかないまま  秋月 郎女
三ウ
65   ジャズナンバー身に入むやうにスイングバイ 秋 栞
66     蔦這ふ壁にスプレーの文字   秋  不夜
67   アートとは規範を超えるものぞかし    私
68     世に隠るるをさらに厭はず      不夜
69   あこがれの内が華とは知りながら     私
70     追っかけしては何処か虚しき     栞
71   開通式けふはいづくと西東        不夜
72     槌音ひびく谷間の町         ふない
73   隠口の初瀬に宮居したまひて       私 隠口(こもりく)
74     残る氷を踏み駒を駆る     春  不夜
75   名にし負ふ臥龍栖むとや春の郷   春  私
76     塔の上より朧見渡し      春  栞
77   花片を地に落さぬは風の脈     春花 不夜
78     自然かうべの下がる義士祭   春  私
名オ
79   各々に異なる思ひ裡に秘め        栞
80     親しく言葉かはすオフ会       不夜
81   男かと決めつけ逢へば女なり       郎女
82     望まれ産まれし子こそ幸せ      私
83   今宵しも主の降誕を誉め称へ    冬  栞
84     歌ひ継がるる古き旋律        不夜
85   日本に弥栄あれや千代の春     新年 私
86     民が竈に嫁が君出づ      新年 不夜
87   丑寅の方位護りて福来たる        栞
88     援軍見ゆと出城沸き立つ       不夜
89   風向きや都合で変はる敵味方       私
90     オセロゲームに一喜一憂       栞
91   短夜にはや月白む窓の外      夏月 不夜
92     庭を見やれば手花火の屑    夏  郎女
名ウ
93   はだけたる浴衣なほしつ聞く鼾   夏  私
94     ナルコレプシー治ったかしら     栞
95   暖房の電車の揺れの心地よさ    冬  不夜
96     匂ふ乙女ら入り来花やぐ    雑花 私
97   初ざくらシートの番は若い衆    春  私
98     青きを踏めば弾むおしゃべり  春  不夜
99   山脈に積もる淡雪薄化粧      春  栞
100    春よ春よとうぐひすの鳴く   春  私

百韻『初しぐれ』の巻

第四百韻 『初しぐれ』の巻
                   2010.11.08~2010.11.30

1 発句 初しぐれ烏はつばさ蓑として    冬  不夜
2 脇    炭焼小屋の軒に隠れぬ     冬  彼郎女
3 第三 金銀にまさるものこそ子供なれ      私
4      日記の綴目指でなぞりつ       草栞
5    日めくりの格言よめる祖母のいる     百
6      スローフードの雄は漬物       私
7    つけにくい句で案じつゝながら喰ひ    私
8      頬杖ついてカフェのテーブル     不夜
初ウ
9    もみづれる出金ばかり小使い帳   秋  百
10     天を仰げばあかあかの月    秋月 氷心
11   台風の過ぎたるあとに家を出て   秋  ふない
12     顔覗き合ふ向かう三軒        不夜
12     舫いを解くタオル鉢巻        氷心
13   交替で見張りせんとて寝ずの番      栞 両句に
14     意図を超えたり火と土の芸      私
15   終日を飽かずにさする楽茶碗       不夜
16     ふらちな孫は夜も帰らず       ふない
17   舞ひ散れる花にこころを酔はされて 春花 郎女
18     あらたな恋を誘ふ春風     春恋 私
19   スカートに浮気募れる半仙戯    春恋 栞
20     ちらちらひとを見あふ公園      私
21   朝曇イーゼル立てる場所探し    夏  不夜
22     猛暑見越して大樹の陰へ    夏  百
二オ
23   弱きものにはそれなりの対策を      郎女
24     腰丈ほどの雪吊の松      冬  ふない
25   わづかなる賀状を出してするあんど 冬  私
26     Eメールにはせぬがこだわり     郎女
27   物を売る前に売りたいあばた面      氷心
28     駱駝の背より月を眺めて    秋月 栞
29   地平線夜寒に遠きけふの宿     秋  不夜
30     刈田の中を一筋の川      秋  私
31   嫗逝き藜の杖を残しおり         百
32     賢者の遺志を守るハリーよ      栞
33   選ばれし者を動かす使命感        私
34     背すじ伸ばして身じろぎもせず    ふない
35   宮殿の門の左右に近衛兵         不夜
36     素知らぬ顔で文あずかりぬ   恋  郎女
二ウ
37   ベンチにて待てば異国の女あり   恋  ふない
38     見つめられては言葉はいらぬ  恋  百
39   長過ぎる路駐店主に咎められ       栞
40     ときに役立つへりくだる質      私
41   内定をすぐ知らさるる面接後       不夜
42     スーツのままでゼミに飛び込む    郎女
43   花盛り写メールしては送りつけ   春花 百
44     小腹の足しに桜餅で茶     春  私
45   朝寝して飯の時分は過ぎにけり   春  ふない
46     今夜も見るぞ流星群を     秋  百
47   山際を明らめぬうっと居待月    秋月 私
48     雁の音聞きてそぞろ侘しき   秋  栞
49   ずるずるとすする昼餉のカップ麺     不夜
50     忘年会の只酒うれし      冬  ふない
三オ
51   冬の薔薇散りなば人の寡黙なる   冬  百
52     身悶えしのぶ倫ならぬ恋    恋  私 倫(みち)
53   歳の差はあれど楽園ともにせん   恋  栞
54     胸の疼きに嘘はあらざり    恋  不夜
55   糊付けて箪笥にしまふユニホーム     ふない
56     年金生活いつまで続く        百
57   粗食でもうまく感じる空きっ腹      私
58     持ちつ持たれつ齢をかさね      百
58     養生訓で狙ふ大台          私
59   気がついて紙釜敷に熨斗を添え      栞 両句に
60     門で見送る正月の客      新年 氷心
61   初富士に胸がおのづと張りにけり  新年 私
62     こもよみこもち若菜摘みつつ  新年 不夜
63   をとめらのすそは濡れけんはだれ雪 春  私
64     雛の家にも戻る賑ひ      春  栞
三ウ
65   赴任地の土産は菓子と蕗の薹    春  ふない
66     嫁になる人ひとつ年上     恋  氷心
67   月照らす波は涼しきランデブー  夏月恋 不夜
68     熱き口づけ海霧の彼方へ    夏恋 栞 海霧(じり)
69   長廊下彼の背中について行く    恋  百
70     木造校舎は暗く冷たし        ふない
71   日当たりに放られている雪だるま  冬  氷心
72     着膨れせずに着るが今流    冬  私
73   ファッション誌抜け出たやうな少女たち  不夜
74     お国訛りで笑いさざめく       ふない
75   ばっちゃにも打ち明けられぬ弱味あり   栞
76     身の上かさね余花を泣くらん  夏花 私
77   ふうわりと黒き日傘を撫でる風   夏  郎女
78     サマルカンドの白き街並       不夜
名オ
79   玄奘と魑魅魍魎の足かるく        ふない
80     盃の猿酒ゴクと呑み干す    秋  栞
81   玉兎からまづ薀蓄をかたむけて   秋月 私
82     草屋閉めて自然薯ほりへ    秋  百
83   待ちかねの庭の梢に小鳥来る    秋  不夜
84     幼子どもの瞳うつくし        郎女
85   毀たれし大尖塔を見上げをり       ふない
86     高度成長今や伝説          私
87   ジパングで銀河鉄道乗車券        百
88     時空の旅はImagination  私
89   火の鳥も甦りては永遠に生き       栞
90     最終巻につかぬ決着         不夜
91   打ち切りの運命かなし冒険譚       ふない
92     ホームページに寄せる荒波      郎女
名ウ
93   いっぱしの批評家きどりカキコして    私
94     花の名所は屋台ひしめく    春花 私
95   春鹿を追えど聞こえぬ素振なり   春  ふない
96     若芝萌えてあをむ山肌     春  私
97   潮の香の道を遍路のあゆみゆく   春  不夜
98     悟りの境地何処に在りや       栞
99   物語など思はせる鐘の声         郎女
100    午後の古文の授業まどろむ      私

百韻 『岨道や』の巻

第三百韻 『岨道や』の巻
                   2010.10.03~2010.10.27


1 発句 岨道や露にそぼ濡れ鳥かぶと    秋  私 岨道(そばみち)
2 脇   渓雲湧きて秋天に風       秋  百
3 第三 弦月に汝が龍笛は届くらん     秋月 氷心 龍笛(りゅうてき)
4     即興ながら琵琶を奏でて        草栞
5    物怪が似つかわしけり古き宿       彼郎女
6     なにはなくとも生き返る湯よ      私
7    のびのびと手足のばせるこの空間     不夜
8     黒一点のエアロビックス        私
初ウ
9    イクメンの襁褓とりかえ板につき     百
10    いまさらながら親の恩知る       不夜
11   望郷は金木犀の香とともに     秋  がじゅまる
12    君の離縁を聞けば稲妻      秋恋 私
13   夜に宴月が見えぬも覚悟して    秋月 青豆
13   月光を映す瞳のボルテージ    秋月恋 栞
14    薄野原に使者を討つ武士     秋  青豆 両句に 薄(すすき)
15   我が代にて因果の流れ絶たんとし     郎女
16    買い漁りたる占いの本         不夜
17   ゴミに出すときにも要す思ひ切り     私
18    舞台の上に霞たなびく      春  栞
19   あげひばり王朝あとは田面にて   春  私 田面(たづら)
19   差し金と思えぬほどの蝶の舞    春  青豆
20    春袷の身そゝとつくろふ     春  私 19両句に 春袷(はるあわせ)
21   お開きに致しませうか花の宴    春花 郎女
22    迎え待つ間にルージュを引いて  恋  百
二オ
23   懲りもせぬ浮気心を弄び      恋  栞
24    ただ人間の業の深さよ         不夜
24    酔夢に妻子の出で来目覚むる      私 酔夢(すいむ)/妻子(めこ)/出で来(いでき)
25   たがために鐘は鳴るなり浮寝鳥   冬  百
26    形さまざまに蓮の立枯れ     冬  私 形(なり)
27   柵を越え身を低うする寒の釣    冬  ふない
28    新発売の道具試さん          不夜
29   何度目の挑戦かしらダイエット      郎女
30    テレビにうつる難民キャンプ      百
31   イマジンの世界は夢か幻か        栞
32    旅券片手に一人まごまご        ふない
33   出迎へを探すに広きコンコース      不夜
34    栄転万歳叫ぶグループ         私
35   慣れ住めばいづれ都となりぬべし     私
36    月も絵になる山小屋の窓     夏月 栞
二ウ
37   酒のほかたらぬものなしほととぎす 夏  私
38    朱に染む頬に風そよと吹く       郎女
39   洟垂れが長じ凛々しき美少年    恋  私
40    惹かるる我の少し悔しき     恋  不夜
41   片腕を抱きて眠りし日々遠く    恋  栞
42    杉線香に祖母おもひ出づ        私
43   整理する納戸に色の褪せし箱       不夜
44    鑑定せずんば永遠にお宝        私 永遠(とわ)
45   かりがねや手の打ち見せぬ骨董屋  秋  百
46    矢張りねばりを見せん新蕎麦   秋  私
47   べレルマン受賞断り茸狩り     秋  百
48    3D表示で月の痘痕を      秋月 栞
49   幼子に仮と実との区別なし        ふない
50    餅花の咲く枝にのばす手     冬花 郎女
三オ
51   桃割れとふくら雀にポーズ付け      氷心
52    巨匠の声の響くスタジオ        不夜
53   我が輩の辞書に妥協の文字はなし     私
54    俳句南画とどれも一流         百
55   マンネリに原点回帰を呼びかけて     私
56    熱海を目指す鈍行列車         ふない
57   新聞を畳む仕草で合図する        栞
58    内弁慶の亭主操縦           私
59   プロポーズ誘導された感もあり   恋  百
60    生活感ない彼が気がかり     恋  私
61   いつまでも口を開けば夢ばかり      不夜
62    グラスのこほり水に返りぬ       ふない
63   うたたねの肩叩かれる夜明け前      郎女
64    うつつへ戻すしげき囀り     春  私
三ウ
65   初花を見つけて帰る散歩かな    春花 百
66    新入部員はしる川土手      春  ふない
67   鉄橋に貨物列車の影朧       春  私
68    絵筆に水をつけてなぞれば       不夜
69   学ぶとは型をしょつぱな真似ること    私
69   伝説の秘宝の在り処ひらめきて      栞
70    書にある如く旅支度せむ        郎女 両句に
71   消閑をせんと棚より引き出せし      ふない
72    地図で物色次の山行          私
73   頬寄せてまるで磁石のNとS    恋  氷心
74    恋はうたかたレモンスカッシュ  夏恋 栞
75   解かれても止まり木すがる籠の鳥  恋  私
76    自由といふはなんと不自由       私
77   文明の便利さ笑ふやうに月     秋月 不夜
78    ひややかな部屋光る液晶     秋  ふない
名オ
79   ミステリードラマ仕立ての村芝居  秋  栞
79   秋黴雨半身かくす新タワー     秋  私 秋黴雨(あきついり)
80    能面めきて歩く群衆          不夜 両句に
81   かつぎたる先生は民に起訴されて     私 先生(せんせ;岩手弁)
82    宮沢賢治雨にもまけず         百
83   得意げな子の暗唱の後を追ふ       私
84    路地を横切る痩せた黒猫        栞
84    どっこいしょっと跨ぐせせらぎ     氷心
85   ゆきゆけど木曽路はずうつと山の中    私 両句に
86    やつとコンビニ見つけ昼食       不夜
87   風ぬくしわざと知らない町迷ふ   春  私
88    朧月夜に珈琲香る        春月 百
89   花の宿写しブログにアップする   春花 私
90    寄る年波のはやみ行く春     春  私
91   時の舟漂ふ先の水鏡           栞
92    のぞけば目高顔をよこぎる    夏  不夜
名ウ
93   片岡の葦のさやげる夏の宵     夏  百
94    人ならぬもの何を思はむ        郎女
95   あらたしき社殿はカフェを併設す     ふない
96    しる粉の椀に浮かぶ御鏡     新年 氷心
97   食ひ延ばしきたるおせちの消えるころ 新年 私
98    社会復帰の用意とゝのふ        不夜
99   穴倉に別れを告げて地に出づる      栞
100   いつか大樹となるを夢みて       郎女



※ 特にことわりがなければ、同じ番号の句は、最後の句に次の句が続いたことを示す。

百韻『梅雨明の』の巻

第二百韻 『梅雨明の』の巻
                   2010.8.22~2010.9.20


1 発句 梅雨明の窓といふ窓開け放つ    夏  氷心
2 脇   いよいよ高き雲の峰々      夏  私
3 第三 草原を過る影追ひ旅立たん        草栞
4     旧き鞄の底に反故紙          ふない
5    朋輩を思い起こさす葉鶏頭        玄碩
6     トワイライトに適ふかなかな   秋  私
7    月今宵恐竜の居た地層過ぎ     秋月 百
8     燈籠のごと魂導かむ       秋  彼郎女 魂(たま)
初ウ
9    酸漿をうまく鳴らせぬ口惜しさ   秋  氷心
10    いつしか消ゆる犬の遠吠え       栞
11   生ゴミを漁る鴉のたくましき       不夜
12    祖父の代から公文に通い        海霧
13   扁額の家訓『忍耐』茶にあせて      私
14    紙片添へたる紅き冬薔薇     冬  氷心
15   あかつきに積雪重き戸を押せば   冬  ふない
16    後悔せぬと誓ふ駈け落ち     恋  栞
17   薄氷のわれて無邪気に笑ふきみ   春恋 私 薄氷(うすらひ)
18    耳を澄ませば鳥も囀る      春恋 氷心
19   ひとゝほり愚痴述べあつて仰ぐ花  春花 私
20    そろそろ団子召し上がりませ      彼郎女
21   塗り替えて秩父観光案内図        百
22    あとが恐いとゆづる行き先       私
二オ
23   正夢となりし津波が押し寄せて      栞
24    無人の村にサイレンの音        ふない
25   山路きて身の引き締まる熊注意      私
26    二度あることは三度もありと      百
27   再会に話の継穂さぐりかね     恋  ふない
28    浴衣に似合ふ髪型を褒め     夏恋 栞
29   踊子の君をはげます控え室     夏恋 不夜
30    パリのオペラ座謎の大火で       海霧
31   郊外の民宿にはかに人気出る       私
31   繁華街きれいにしたら閑古鳥       私
32    ボージョレヌーボ 予約低迷   秋  百
33   氷輪の雫呑みたし杓もなし     秋月 栞
34    酔ひやや醒めて穂草抜き噛む   秋  私
35   ちかごろの案山子小癪に娶りたる  秋恋 氷心
36    をさなきときのちぎりむなしき  恋  私
二ウ
37   御屋敷は庭もろともに跡も無く      ふない
38    袋小路にならぶ建て売り        私
39   はじめから垣根なければないですむ    私
39   蟻の巣のわずかな土に出来ており  夏  百
40    気にせず伸びよジャスミンの蔓  夏  彼郎女 (両句に)
41   自然派でクーラー嫌いじや済まぬ候 夏  私
42    けふも巷に救急車ゆく         不夜
43   生きている証ありとて記録付け      栞
44    履き違へたる個人情報         私
45   料亭の顔と言はれし下足番        氷心
46    遊びがつくるにんげんの幅       私
47   月おぼろ盃に落花のひとひらを  春花月 百
48    軟東風吹きて揺れる篝火     春  栞
49   春の陣戦勝祈願の連歌巻く     春  私
50    部室の壁を飾る賞状          不夜
三オ
51   かえりみるライバルの顔なつかしき    ふない
52    美化されてゆく遠き初恋     恋  私
53   迷ひつつ最後は君の懐に      恋  栞
54    まだ間に合ふか判らぬけれど      彼郎女
55   買ひ替へるたびにランクはダウンして   私
56    アクセル踏めど加速ぼちぼち      不夜
57   銀盤の女王にシーズンオフはなし     私
58    城跡の空梅雨の前ぶれ      夏  海霧
59   鉢洗い縁側に置く風知草      夏  百
60    茶によぶ妻のこゑのうれしく      私
61   孫からの電話は何の報せやら       彼郎女
62    予選通過で忙しくなり         栞
63   のど自慢はなから狙ひ熱演賞       私
64    身振り手振りにこめる情感       不夜
三ウ
65   本離れ歯止めとなるや読み聞かせ     私
66    つひに寝待ちを愛づるあたはず  秋月 氷心
67   ドプラーの幻想曲に秋思濃く    秋  栞
68    紅葉且つ散る旅の残影      秋  百
69   そゞろ神やすみ給へよ人の庵       私
70    屋根より延ばす短波アンテナ      ふない
71   北鮮へ「しおかぜ通信」花だより  春花 百
72    凪のかなたに蜃気楼たつ     春  私
73   ウィスキーお好きでしょうと亀鳴けり 春 百
74    犬にせがまれ回るほろ酔ひ       私
75   気が付けば散歩どころか探検に      栞
76    輪をなす石に古代の秘密        不夜
77   どの国も歴史の果ては神話なり      私
78    聖地とやらに何を求めん        彼郎女
名オ
79   大いなるもの万象に遍満す        私
80    その一粒もそうだったかも       百
81   あのときにあゝしてゐればと思ふ秋 秋  私
82    十六夜過ぎて千々に乱れる    秋月 栞
83   見るひともなく咲き散るや萩の花  秋恋 私
84    寄せる想ひに玉の露落つ     秋恋 彼郎女
85   たえまなき鼓動が刻むうみの波      私
86    一本釣の魚信待つ間を         不夜
87   目覚ましによしなしごとを呟きて     栞
88    為替介入銭関心事           百
89   パソコンの画面チラチラ偏頭痛      不夜
90    花前線の今日はどこまで     春花 百
91   仕舞ふのはいつが良からん春炬燵  春  彼郎女
92    菫を挿した香水の壜       春  ふない
名ウ
93   妻として誠実な愛を貫いて     恋  百
94    浮つくぬしを待つ身くるしき   恋  私
95   バーチャルの世界に一人慰むる   恋  栞
96    機械とからだ繋ぐケーブル       不夜
97   クリスマス奇跡がおこる予感する  冬  百
98    雪天あふぎ吠える狼       冬  私
99   かなしみを帯びる響きに振り向けば    彼郎女
100   ノスタルジアの丘は霞みぬ       栞


※ 特にことわりがなければ、同じ番号の句は、最後の句に次の句が続いたことを示す。

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