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座・twitter連歌 (下書)

twitterで興行中の連歌(@zrenga)記録用

   

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百韻『初しぐれ』の巻

第四百韻 『初しぐれ』の巻
                   2010.11.08~2010.11.30

1 発句 初しぐれ烏はつばさ蓑として    冬  不夜
2 脇    炭焼小屋の軒に隠れぬ     冬  彼郎女
3 第三 金銀にまさるものこそ子供なれ      私
4      日記の綴目指でなぞりつ       草栞
5    日めくりの格言よめる祖母のいる     百
6      スローフードの雄は漬物       私
7    つけにくい句で案じつゝながら喰ひ    私
8      頬杖ついてカフェのテーブル     不夜
初ウ
9    もみづれる出金ばかり小使い帳   秋  百
10     天を仰げばあかあかの月    秋月 氷心
11   台風の過ぎたるあとに家を出て   秋  ふない
12     顔覗き合ふ向かう三軒        不夜
12     舫いを解くタオル鉢巻        氷心
13   交替で見張りせんとて寝ずの番      栞 両句に
14     意図を超えたり火と土の芸      私
15   終日を飽かずにさする楽茶碗       不夜
16     ふらちな孫は夜も帰らず       ふない
17   舞ひ散れる花にこころを酔はされて 春花 郎女
18     あらたな恋を誘ふ春風     春恋 私
19   スカートに浮気募れる半仙戯    春恋 栞
20     ちらちらひとを見あふ公園      私
21   朝曇イーゼル立てる場所探し    夏  不夜
22     猛暑見越して大樹の陰へ    夏  百
二オ
23   弱きものにはそれなりの対策を      郎女
24     腰丈ほどの雪吊の松      冬  ふない
25   わづかなる賀状を出してするあんど 冬  私
26     Eメールにはせぬがこだわり     郎女
27   物を売る前に売りたいあばた面      氷心
28     駱駝の背より月を眺めて    秋月 栞
29   地平線夜寒に遠きけふの宿     秋  不夜
30     刈田の中を一筋の川      秋  私
31   嫗逝き藜の杖を残しおり         百
32     賢者の遺志を守るハリーよ      栞
33   選ばれし者を動かす使命感        私
34     背すじ伸ばして身じろぎもせず    ふない
35   宮殿の門の左右に近衛兵         不夜
36     素知らぬ顔で文あずかりぬ   恋  郎女
二ウ
37   ベンチにて待てば異国の女あり   恋  ふない
38     見つめられては言葉はいらぬ  恋  百
39   長過ぎる路駐店主に咎められ       栞
40     ときに役立つへりくだる質      私
41   内定をすぐ知らさるる面接後       不夜
42     スーツのままでゼミに飛び込む    郎女
43   花盛り写メールしては送りつけ   春花 百
44     小腹の足しに桜餅で茶     春  私
45   朝寝して飯の時分は過ぎにけり   春  ふない
46     今夜も見るぞ流星群を     秋  百
47   山際を明らめぬうっと居待月    秋月 私
48     雁の音聞きてそぞろ侘しき   秋  栞
49   ずるずるとすする昼餉のカップ麺     不夜
50     忘年会の只酒うれし      冬  ふない
三オ
51   冬の薔薇散りなば人の寡黙なる   冬  百
52     身悶えしのぶ倫ならぬ恋    恋  私 倫(みち)
53   歳の差はあれど楽園ともにせん   恋  栞
54     胸の疼きに嘘はあらざり    恋  不夜
55   糊付けて箪笥にしまふユニホーム     ふない
56     年金生活いつまで続く        百
57   粗食でもうまく感じる空きっ腹      私
58     持ちつ持たれつ齢をかさね      百
58     養生訓で狙ふ大台          私
59   気がついて紙釜敷に熨斗を添え      栞 両句に
60     門で見送る正月の客      新年 氷心
61   初富士に胸がおのづと張りにけり  新年 私
62     こもよみこもち若菜摘みつつ  新年 不夜
63   をとめらのすそは濡れけんはだれ雪 春  私
64     雛の家にも戻る賑ひ      春  栞
三ウ
65   赴任地の土産は菓子と蕗の薹    春  ふない
66     嫁になる人ひとつ年上     恋  氷心
67   月照らす波は涼しきランデブー  夏月恋 不夜
68     熱き口づけ海霧の彼方へ    夏恋 栞 海霧(じり)
69   長廊下彼の背中について行く    恋  百
70     木造校舎は暗く冷たし        ふない
71   日当たりに放られている雪だるま  冬  氷心
72     着膨れせずに着るが今流    冬  私
73   ファッション誌抜け出たやうな少女たち  不夜
74     お国訛りで笑いさざめく       ふない
75   ばっちゃにも打ち明けられぬ弱味あり   栞
76     身の上かさね余花を泣くらん  夏花 私
77   ふうわりと黒き日傘を撫でる風   夏  郎女
78     サマルカンドの白き街並       不夜
名オ
79   玄奘と魑魅魍魎の足かるく        ふない
80     盃の猿酒ゴクと呑み干す    秋  栞
81   玉兎からまづ薀蓄をかたむけて   秋月 私
82     草屋閉めて自然薯ほりへ    秋  百
83   待ちかねの庭の梢に小鳥来る    秋  不夜
84     幼子どもの瞳うつくし        郎女
85   毀たれし大尖塔を見上げをり       ふない
86     高度成長今や伝説          私
87   ジパングで銀河鉄道乗車券        百
88     時空の旅はImagination  私
89   火の鳥も甦りては永遠に生き       栞
90     最終巻につかぬ決着         不夜
91   打ち切りの運命かなし冒険譚       ふない
92     ホームページに寄せる荒波      郎女
名ウ
93   いっぱしの批評家きどりカキコして    私
94     花の名所は屋台ひしめく    春花 私
95   春鹿を追えど聞こえぬ素振なり   春  ふない
96     若芝萌えてあをむ山肌     春  私
97   潮の香の道を遍路のあゆみゆく   春  不夜
98     悟りの境地何処に在りや       栞
99   物語など思はせる鐘の声         郎女
100    午後の古文の授業まどろむ      私
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連歌→短歌(テスト)

元々、わたくしこと彼郎女は、Twitterで短歌を詠むのに惹かれるうちに、偶然出逢った「私」さまの連歌の世界に飛びついてしまい、今に至ります。

あるひとに、いや特に送り手がいなくとも。Twitterで垂れ流した短歌。
それに返歌(付け歌)を頂いたりするうちに思わぬ方向へ行ってしまったり。

連歌。
そこから生まれた俳諧。
やがて俳句として高められるとともに、基は短歌、俳諧の連歌、であることは忘れ去られていきました。

というわけで。

現代の連歌を短歌にすると?

と『長廊下の巻』で遊んでみました。
ご興味のある方はどうぞ。



百韻 『岨道や』の巻

第三百韻 『岨道や』の巻
                   2010.10.03~2010.10.27


1 発句 岨道や露にそぼ濡れ鳥かぶと    秋  私 岨道(そばみち)
2 脇   渓雲湧きて秋天に風       秋  百
3 第三 弦月に汝が龍笛は届くらん     秋月 氷心 龍笛(りゅうてき)
4     即興ながら琵琶を奏でて        草栞
5    物怪が似つかわしけり古き宿       彼郎女
6     なにはなくとも生き返る湯よ      私
7    のびのびと手足のばせるこの空間     不夜
8     黒一点のエアロビックス        私
初ウ
9    イクメンの襁褓とりかえ板につき     百
10    いまさらながら親の恩知る       不夜
11   望郷は金木犀の香とともに     秋  がじゅまる
12    君の離縁を聞けば稲妻      秋恋 私
13   夜に宴月が見えぬも覚悟して    秋月 青豆
13   月光を映す瞳のボルテージ    秋月恋 栞
14    薄野原に使者を討つ武士     秋  青豆 両句に 薄(すすき)
15   我が代にて因果の流れ絶たんとし     郎女
16    買い漁りたる占いの本         不夜
17   ゴミに出すときにも要す思ひ切り     私
18    舞台の上に霞たなびく      春  栞
19   あげひばり王朝あとは田面にて   春  私 田面(たづら)
19   差し金と思えぬほどの蝶の舞    春  青豆
20    春袷の身そゝとつくろふ     春  私 19両句に 春袷(はるあわせ)
21   お開きに致しませうか花の宴    春花 郎女
22    迎え待つ間にルージュを引いて  恋  百
二オ
23   懲りもせぬ浮気心を弄び      恋  栞
24    ただ人間の業の深さよ         不夜
24    酔夢に妻子の出で来目覚むる      私 酔夢(すいむ)/妻子(めこ)/出で来(いでき)
25   たがために鐘は鳴るなり浮寝鳥   冬  百
26    形さまざまに蓮の立枯れ     冬  私 形(なり)
27   柵を越え身を低うする寒の釣    冬  ふない
28    新発売の道具試さん          不夜
29   何度目の挑戦かしらダイエット      郎女
30    テレビにうつる難民キャンプ      百
31   イマジンの世界は夢か幻か        栞
32    旅券片手に一人まごまご        ふない
33   出迎へを探すに広きコンコース      不夜
34    栄転万歳叫ぶグループ         私
35   慣れ住めばいづれ都となりぬべし     私
36    月も絵になる山小屋の窓     夏月 栞
二ウ
37   酒のほかたらぬものなしほととぎす 夏  私
38    朱に染む頬に風そよと吹く       郎女
39   洟垂れが長じ凛々しき美少年    恋  私
40    惹かるる我の少し悔しき     恋  不夜
41   片腕を抱きて眠りし日々遠く    恋  栞
42    杉線香に祖母おもひ出づ        私
43   整理する納戸に色の褪せし箱       不夜
44    鑑定せずんば永遠にお宝        私 永遠(とわ)
45   かりがねや手の打ち見せぬ骨董屋  秋  百
46    矢張りねばりを見せん新蕎麦   秋  私
47   べレルマン受賞断り茸狩り     秋  百
48    3D表示で月の痘痕を      秋月 栞
49   幼子に仮と実との区別なし        ふない
50    餅花の咲く枝にのばす手     冬花 郎女
三オ
51   桃割れとふくら雀にポーズ付け      氷心
52    巨匠の声の響くスタジオ        不夜
53   我が輩の辞書に妥協の文字はなし     私
54    俳句南画とどれも一流         百
55   マンネリに原点回帰を呼びかけて     私
56    熱海を目指す鈍行列車         ふない
57   新聞を畳む仕草で合図する        栞
58    内弁慶の亭主操縦           私
59   プロポーズ誘導された感もあり   恋  百
60    生活感ない彼が気がかり     恋  私
61   いつまでも口を開けば夢ばかり      不夜
62    グラスのこほり水に返りぬ       ふない
63   うたたねの肩叩かれる夜明け前      郎女
64    うつつへ戻すしげき囀り     春  私
三ウ
65   初花を見つけて帰る散歩かな    春花 百
66    新入部員はしる川土手      春  ふない
67   鉄橋に貨物列車の影朧       春  私
68    絵筆に水をつけてなぞれば       不夜
69   学ぶとは型をしょつぱな真似ること    私
69   伝説の秘宝の在り処ひらめきて      栞
70    書にある如く旅支度せむ        郎女 両句に
71   消閑をせんと棚より引き出せし      ふない
72    地図で物色次の山行          私
73   頬寄せてまるで磁石のNとS    恋  氷心
74    恋はうたかたレモンスカッシュ  夏恋 栞
75   解かれても止まり木すがる籠の鳥  恋  私
76    自由といふはなんと不自由       私
77   文明の便利さ笑ふやうに月     秋月 不夜
78    ひややかな部屋光る液晶     秋  ふない
名オ
79   ミステリードラマ仕立ての村芝居  秋  栞
79   秋黴雨半身かくす新タワー     秋  私 秋黴雨(あきついり)
80    能面めきて歩く群衆          不夜 両句に
81   かつぎたる先生は民に起訴されて     私 先生(せんせ;岩手弁)
82    宮沢賢治雨にもまけず         百
83   得意げな子の暗唱の後を追ふ       私
84    路地を横切る痩せた黒猫        栞
84    どっこいしょっと跨ぐせせらぎ     氷心
85   ゆきゆけど木曽路はずうつと山の中    私 両句に
86    やつとコンビニ見つけ昼食       不夜
87   風ぬくしわざと知らない町迷ふ   春  私
88    朧月夜に珈琲香る        春月 百
89   花の宿写しブログにアップする   春花 私
90    寄る年波のはやみ行く春     春  私
91   時の舟漂ふ先の水鏡           栞
92    のぞけば目高顔をよこぎる    夏  不夜
名ウ
93   片岡の葦のさやげる夏の宵     夏  百
94    人ならぬもの何を思はむ        郎女
95   あらたしき社殿はカフェを併設す     ふない
96    しる粉の椀に浮かぶ御鏡     新年 氷心
97   食ひ延ばしきたるおせちの消えるころ 新年 私
98    社会復帰の用意とゝのふ        不夜
99   穴倉に別れを告げて地に出づる      栞
100   いつか大樹となるを夢みて       郎女



※ 特にことわりがなければ、同じ番号の句は、最後の句に次の句が続いたことを示す。

百韻『梅雨明の』の巻

第二百韻 『梅雨明の』の巻
                   2010.8.22~2010.9.20


1 発句 梅雨明の窓といふ窓開け放つ    夏  氷心
2 脇   いよいよ高き雲の峰々      夏  私
3 第三 草原を過る影追ひ旅立たん        草栞
4     旧き鞄の底に反故紙          ふない
5    朋輩を思い起こさす葉鶏頭        玄碩
6     トワイライトに適ふかなかな   秋  私
7    月今宵恐竜の居た地層過ぎ     秋月 百
8     燈籠のごと魂導かむ       秋  彼郎女 魂(たま)
初ウ
9    酸漿をうまく鳴らせぬ口惜しさ   秋  氷心
10    いつしか消ゆる犬の遠吠え       栞
11   生ゴミを漁る鴉のたくましき       不夜
12    祖父の代から公文に通い        海霧
13   扁額の家訓『忍耐』茶にあせて      私
14    紙片添へたる紅き冬薔薇     冬  氷心
15   あかつきに積雪重き戸を押せば   冬  ふない
16    後悔せぬと誓ふ駈け落ち     恋  栞
17   薄氷のわれて無邪気に笑ふきみ   春恋 私 薄氷(うすらひ)
18    耳を澄ませば鳥も囀る      春恋 氷心
19   ひとゝほり愚痴述べあつて仰ぐ花  春花 私
20    そろそろ団子召し上がりませ      彼郎女
21   塗り替えて秩父観光案内図        百
22    あとが恐いとゆづる行き先       私
二オ
23   正夢となりし津波が押し寄せて      栞
24    無人の村にサイレンの音        ふない
25   山路きて身の引き締まる熊注意      私
26    二度あることは三度もありと      百
27   再会に話の継穂さぐりかね     恋  ふない
28    浴衣に似合ふ髪型を褒め     夏恋 栞
29   踊子の君をはげます控え室     夏恋 不夜
30    パリのオペラ座謎の大火で       海霧
31   郊外の民宿にはかに人気出る       私
31   繁華街きれいにしたら閑古鳥       私
32    ボージョレヌーボ 予約低迷   秋  百
33   氷輪の雫呑みたし杓もなし     秋月 栞
34    酔ひやや醒めて穂草抜き噛む   秋  私
35   ちかごろの案山子小癪に娶りたる  秋恋 氷心
36    をさなきときのちぎりむなしき  恋  私
二ウ
37   御屋敷は庭もろともに跡も無く      ふない
38    袋小路にならぶ建て売り        私
39   はじめから垣根なければないですむ    私
39   蟻の巣のわずかな土に出来ており  夏  百
40    気にせず伸びよジャスミンの蔓  夏  彼郎女 (両句に)
41   自然派でクーラー嫌いじや済まぬ候 夏  私
42    けふも巷に救急車ゆく         不夜
43   生きている証ありとて記録付け      栞
44    履き違へたる個人情報         私
45   料亭の顔と言はれし下足番        氷心
46    遊びがつくるにんげんの幅       私
47   月おぼろ盃に落花のひとひらを  春花月 百
48    軟東風吹きて揺れる篝火     春  栞
49   春の陣戦勝祈願の連歌巻く     春  私
50    部室の壁を飾る賞状          不夜
三オ
51   かえりみるライバルの顔なつかしき    ふない
52    美化されてゆく遠き初恋     恋  私
53   迷ひつつ最後は君の懐に      恋  栞
54    まだ間に合ふか判らぬけれど      彼郎女
55   買ひ替へるたびにランクはダウンして   私
56    アクセル踏めど加速ぼちぼち      不夜
57   銀盤の女王にシーズンオフはなし     私
58    城跡の空梅雨の前ぶれ      夏  海霧
59   鉢洗い縁側に置く風知草      夏  百
60    茶によぶ妻のこゑのうれしく      私
61   孫からの電話は何の報せやら       彼郎女
62    予選通過で忙しくなり         栞
63   のど自慢はなから狙ひ熱演賞       私
64    身振り手振りにこめる情感       不夜
三ウ
65   本離れ歯止めとなるや読み聞かせ     私
66    つひに寝待ちを愛づるあたはず  秋月 氷心
67   ドプラーの幻想曲に秋思濃く    秋  栞
68    紅葉且つ散る旅の残影      秋  百
69   そゞろ神やすみ給へよ人の庵       私
70    屋根より延ばす短波アンテナ      ふない
71   北鮮へ「しおかぜ通信」花だより  春花 百
72    凪のかなたに蜃気楼たつ     春  私
73   ウィスキーお好きでしょうと亀鳴けり 春 百
74    犬にせがまれ回るほろ酔ひ       私
75   気が付けば散歩どころか探検に      栞
76    輪をなす石に古代の秘密        不夜
77   どの国も歴史の果ては神話なり      私
78    聖地とやらに何を求めん        彼郎女
名オ
79   大いなるもの万象に遍満す        私
80    その一粒もそうだったかも       百
81   あのときにあゝしてゐればと思ふ秋 秋  私
82    十六夜過ぎて千々に乱れる    秋月 栞
83   見るひともなく咲き散るや萩の花  秋恋 私
84    寄せる想ひに玉の露落つ     秋恋 彼郎女
85   たえまなき鼓動が刻むうみの波      私
86    一本釣の魚信待つ間を         不夜
87   目覚ましによしなしごとを呟きて     栞
88    為替介入銭関心事           百
89   パソコンの画面チラチラ偏頭痛      不夜
90    花前線の今日はどこまで     春花 百
91   仕舞ふのはいつが良からん春炬燵  春  彼郎女
92    菫を挿した香水の壜       春  ふない
名ウ
93   妻として誠実な愛を貫いて     恋  百
94    浮つくぬしを待つ身くるしき   恋  私
95   バーチャルの世界に一人慰むる   恋  栞
96    機械とからだ繋ぐケーブル       不夜
97   クリスマス奇跡がおこる予感する  冬  百
98    雪天あふぎ吠える狼       冬  私
99   かなしみを帯びる響きに振り向けば    彼郎女
100   ノスタルジアの丘は霞みぬ       栞


※ 特にことわりがなければ、同じ番号の句は、最後の句に次の句が続いたことを示す。

百韻『長廊下』の巻

百韻『長廊下』の巻
                   2010.6.30~2010.7.17


1 発句 長廊下ごとりと寝入る蝉時雨    夏  がじゅまる
2 脇   まづは木の葉の告げる夕立    夏  私 
3 第三 さくさくと足下かろき遊歩道       彼郎女
4     更待月を待てど空しく      秋月 玄碩
5    子と共に食ひ尽くしたる栗や豆   秋  氷心
6     テストパターン映る朝寒     秋  不夜
7    目で追うも影だけ残すジョウビタキ 秋  海霧
8     笛に誘はれ行く村芝居      秋  草栞

9    越後獅子山路ふみわけ急ぎをり      百
10    思ひのほかに遠き鞍馬よ        私
11   繰り返すGPSの合成音         不夜
11   好いひとを雪がへだてる露天風呂  冬恋 氷心
12    ここにいるわと氷柱で合図    冬恋 栞(両句に)
13   囚われし姫居る塔の朧なる     春恋 がじゅまる
14    リボンの騎士の駆るは若駒    春  不夜
15   シチリヤの花を散らしてタンクレディ 花 百
16    いづれしぶさのよさわかるらん     私
17   舌でなく喉で飲めとや缶ビール      私
17   古道具素性は実はゴミの山        私
18    汗の一日終へて腑抜けに     夏  不夜(両句に)
19   竹婦人冷たくなって待ってます   夏  百
20    夫はわたしに母をみてゐる       私
21   書斎より計ったやうにお~いお茶     不夜
22    依存体質変へるのは骨         私
二オ
23   我が祈願キャリーオーバー年越して 新春 私
24    リターンマッチを誓ふ松すぎ   新春 不夜
25   東風吹きてやけ棒杭に火が点きて  春恋 がじゅまる
26    嬉し恥ずかし老いらくの恋    恋  玄碩
27   さりげなく統一感でペアルック   恋  私
28    時に訪ねる阿吽の仁王         海霧
29   あをによし寧楽の都の遷都祭       栞
30    バス乗り継いで自転車を借り      百
31   岩鼻に我も真似せむ月の客     秋月 不夜
32    おもはず口に尾花一本      秋  私
33   騙し合ひ果てるともなく露に濡れ  秋  栞
34    先陣競ふ生食磨墨           百
34    素鞍の青を包む朝霧       秋  氷心
35   満々と長江の面冬近し       秋  海霧
36    租界守れと並ぶ砲艦          不夜
二ウ
37   楽しみは夕食後の酒保開け        氷心
38    外人部隊明日を知らざり        不夜
38    無礼講ゆめこころ許すな        私
39   いずこより機密事項が洩れたやら     彼郎女(両句に)
40    なりすましには注意あそばせ      栞
41   あめんぼうおのれは蜘蛛か馬なのか 夏  氷心
42    青鷺じつと池面うかゞふ     夏  私
43   夏暁の陽昇るごとくに立ちにけり  夏  がじゅまる
44    揃ひの寝巻きで宿前の浜        私
45   号令は竹刀片手の鬼コーチ        不夜
46    家に帰れば満点パパで         百
47   逢引を重ね浮名を流したり     恋  栞
48    わが子の父は妻の愛人      恋  蘭
49   あらだてゝ地獄見るより知らんぷり    私
50    浮世くらませ散る花の蔭     春花 がじゅまる
三オ
51   猫の子と遊ぶ画伯は坊主刈     春  不夜
52    老いの春にて娶る新妻      春  私
53   婿殿も紋付袴新調し        恋  百
53   末の児も無事に大学卒業し     春  彼郎女
54    期待ふくらむデジタルネイティブ    栞
55   飯だけは三度三度を定時刻        氷心
56    切羽詰まればわざと懲役        私
57   網笠の瓶底めがね枯野行く     冬  不夜
58    しぐれてなにも見えぬふるさと  冬  氷心
59   洋館の裏にはたしか詫助が     冬  海霧
60    主人なき庭色々の満つ         がじゅまる
61   ゆふされば蛍の生ふるやへむぐら  夏  私
62    飽かず眺むる短夜の月      夏月 栞
63   あがひざを枕にをとこねまるなり  恋  氷心
64    縁と思へばにくさいとしさ    恋  不夜
三ウ
65   じゃじゃ馬を馴らしたはずが馴らされて  私
66    老舗の系譜婿の代々          がじゅまる
66    カウボーイもとメジャーリーガー    不夜
67   仕込まれて大食いになり廃業す      百
68    どすこい根性役に立つらん       私
69   雨のたび崩れし巣口なほす蟻    夏  私
70    賽の河原に積む石の数         不夜
71   すれ違ふツアー登山の列長く       私
72    日もとっぷりと暮れ道遠し       栞
73   独り身のどこか落ち着くネットカフェ   百
74    作家きどりでリレー小説        私
75   入力の画面に落花二三片      春花 不夜
76    朧な松に一句つぶやく      春  私
77   望の夜に手枕なんて夢ばかり   春月恋 栞
78    汝れ酔ひつぶれ我れゑひもせず  恋  私
名オ
79   常になく愛い奥さんは超肥えて   恋  氷心
80    神に捧げるフラは海辺で        海霧
81   豊年の来る方より風の吹く        がじゅまる
82    季節感なき市の食材          不夜
83   もちまるめ万作祝ふも雑のうち?     百
84    幕間芸にて人間国宝          私
85   なにごとも日々精進の積み重ね      私
86    滅私奉公報はれずとも         栞
87   我が命ささげ今さら悔ひもせず      彼郎女
88    ゲリラ豪雨のメール警告        百
88    大海となれ一滴の水          私
89   オフィス街色とりどりの傘の行く     不夜(両句に)
90    あしもとみつつわれつゆ知らず     がじゅまる
91   「満月が綺麗ですよ」とメールあり 秋月 彼郎女
92    秋の七草葛たらずとも      秋  百
名ウ
93   荻のこゑせめて飾らん庵の床    秋  私
94    名残を惜しむ風炉もやつれて   秋  栞
95   入院をあすに控えた日曜日        氷心
96    空気察すや猫のまつはる        私
97   公園の植ゑ込みまでも花筵     春花 私
98    風船売の声はハスキー      春  不夜
99   春泥は子犬を抱いて初散歩     春  百
100   空見上ぐれば鳥雲に入る     春  彼郎女


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